松川町の農家有志らで作る「ゆうき給食とどけ隊」が、食と農林水産業に関わるサステナブルな取り組みを紹介する動画を募り世界に発信する「サステナアワード2022」で、最高賞の一つ「消費者庁長官賞」に選ばれた。主催は、消費者庁・農林水産省・環境省など。1月24日に都内で開かれた表彰式には宮下智博町長らが出席した。
「ゆうき給食とどけ隊」は2020年に発足。化学肥料や農薬を使わない有機栽培で野菜やコメを生産し、町内の全3小中学校の給食に提供している。メンバーは現在10人で、農家の高齢化が進み対策が急務となっていた遊休農地なども利用して、主にジャガイモ、タマネギ、ニンジン、長ネギ、コメの5品目を栽培している。「土にも生き物にも優しい農法で環境を守り、子どもたちが健やかに育つ地域を目指している」とした約3分の動画を制作し応募した。
これまでの慣行栽培から新しい有機栽培への変換には勇気が必要で、有機と勇気から「ゆうき」、有機食材を地元の子どもたちに届けたい思いから「ゆうき給食とどけ隊」と名付けた。
「ネーミングで内容が一目瞭然ですね、とよく言われる」と笑うのは、副会長で名付け親でもある牛久保二三男(ふみお)さん。「地産地消で、未来ある子どもたちに安心・安全な食材を提供できることにやりがいを感じる」とし、「今回の受賞で国内外に発信して、地球や環境に優しい取り組みが広まれば温暖化対策にもなるし、健やかに育つ子どもたちが増えればうれしい」と話す。
今年の同アワードには全国から79作品の応募があり、農林水産大臣賞、環境大臣賞、消費者庁長官賞をはじめとする各賞が決定した。受賞した動画は、農林水産省の公式ユーチューブチャンネルで紹介するほか、各省のさまざまなイベントなどで発信。特に優秀な作品は、英語版を制作し国際会議の場などを通じて海外にも広く発信するという。