上郷地域まちづくり委員会と野底川市民発電(飯田市鼎)が飯田市で22件目となる「地域公共再生可能エネルギー活用事業」に認定され、12月12日、飯田市役所で調印式が行われた。
この取り組みは、地区内で太陽光など再生可能エネルギーによる発電を行い、収益を地域の課題解決に活用する「飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」に基づいたもの。
野底川市民発電は、上郷地域まちづくり委員会などが地域環境権を行使し野底川の流れを利用した小水力発電を行い、さまざまな地域の課題解決の取り組みを行うことに対し、売電収入の一部を寄付することで支援する。発電設備の容量は340.0キロワット、年間発電量は2,12万キロワットアワーで事業実施期間は2023年~2043年を予定。発電所は現在工事中だが、来年3月末までには完成し稼働する予定。
同委員会の北原重光会長は「リニア時代に向けて充実した地域づくりに努めたい。野底山周辺の整備は環境学習の場として活用すると同時に、リニアからのアクセスなど課題も多いので柔軟に考えて進めていきたい」と今後のビジョンについて話す。
野底川市民発電の菅沼利和社長は「調査から6年近くかけて地域住民と一緒に作ってこられた。協定は20年だが、50年100年は扱えるように末永くやっていきたい」と思いを明かす。
野底川小水量発電所の愛称を募集したところ、88人から140点の応募があり、この中から「もりデンこりき君」に決まったことも当日、発表した。
佐藤健飯田市長は「小水力発電という新たな可能性を開いていただいた。安定的な発電ができることに期待している。売電による収益について森林公園は、リニアが開通したら都心から最も近い森林公園になるので、多くの人が訪れるように市としてもアピールする。再エネ活用という付加価値が付くので、充実した整備を」と期待を込める。