飯田下伊那地区でタクシーを運行する南信州広域タクシー(通称「アップルキャブ」)が11月に入り、タクシーの社名灯の一部を「青リンゴ」に変更した。
同社の社名灯は「アップルキャブ」の名称の通り、真っ赤なリンゴをモチーフにしたもの。本社の看板も赤いリンゴが目印となっており、市民の間では赤いリンゴのマークの認知度は高い。白い車体に長野県の公式ゆるキャラ「アルクマ」とリニアのデザインを施し、ゼロエミッションタクシーなどを運行する同社。11月に入り、飯田市立病院に待機する軽自動車のEV車2台の社名灯を「青リンゴ」に変更した。
同社社長の鈴木佳史さんは変更の経緯について「今年の飯田まつりで『りんごん大賞』を獲得した追手町小学校のインタビューがきっかけ」と話す。チーム名を「色付け! 友情の青リンゴ追手町小学校6年生」とした理由について、児童の代表がインタビューで「これから秋にかけて、リンゴ並木の青いリンゴが太陽の光を燦々(さんさん)と浴び、やがて真っ赤なリンゴに成長する。私たちも友情の絆で大きく成長する。きれいに色付いていく事を希望して名付けた」とコメントしたことに感銘を受けたと鈴木さん。
同社も、SDGsのジェンダー平等を実現しようと、女性の社会進出に取り組み、社員の女性比率の向上に努める中、軽自動車のEV車を導入。多様性のある勤務時間の導入を進めながら女性運転手を育てている。鈴木さんは「赤いリンゴになる前の青いリンゴが会社の中で互いに『和をもって共に行動』することで、いずれ真っ赤なリンゴに成長していく姿を表した」と話す。
青リンゴマークのタクシーを運転する杉山幸子さんは乗務員歴5カ月。1日6時間、月間15日ほどの勤務時間だという。杉山さんは「旅行好きで観光に携わりたいと思い乗務員になった。勤務日数も時間も少ないので、青リンゴマークのタクシーに出合えるのはレア。見ると幸せになれるかも」と話す。主に飯田市立病院で待機するという。