
天龍峡の姑射橋周辺(飯田市川路~龍江)で9月6日、「名勝天龍峡をどり」が開催された。
当日は17時から太田下広場で子ども縁日が、姑射橋広場では多くの屋台が立ち並び親子連れでにぎわった。ステージではグラビティダンストゥループ(阿智村)の子どもたち約80人がヒップホプダンスを披露した。「踊り体験プラン」では師範免許を持つ「今昔小町の会」の花柳春輔さんらが「日本舞踊」を披露し、その後「天龍峡をどり」を指導した。
「天龍峡をどり」は、白鳥省吾さん作詞、中山晋平さん作曲の「龍峡小唄」の生演奏に合わせて踊る伝統的な踊り。三味線は玉琴の会、小京都飯田伝統文化育成会が、歌い手は天龍ライン下りのガイド三浦智恵子さん、森本勇雄さんと伊藤瑞穂さんがそれぞれ担当。19時過ぎに踊りが始まると、天竜川に架かる姑射橋(こやきょう)の上に浴衣姿の男女らが最大で400人の輪を作った。長野県のゆるキャラ「アルクマ」も初めて踊りに参加した。当日の人出は踊りも含めて4000人(主催者発表)。
踊りに参加した八十二銀行の行員ら6人は「しっかり準備して臨めた。初めての人もいたが楽しめた」、遠山郷から毎年参加する針間道夫さんは「今年は人が多かった。霜月祭りや遠山の盆踊りなどと同様に伝承できるといい」、スリランカから初めて参加した男性は「小学生たちと一緒に踊れてとても盛り上がり楽しかった」と、それぞれ感想を話していた。
毎年踊りに浴衣姿で参加する佐藤健飯田市長は「今年は龍峡中学校の若者がデザインしたポスターやうちわなどに彩られた。若い人の力をもらいながら100年近い歴史のある踊りをつなげてほしい」とあいさつし、オープニングセレモニーでは竜峡中学校美術部に記念品を贈った。代表の生徒は「この地域のみんなが楽しんで踊っている様子を描きたいと思ってデザインした」と思いを話した。
実行委員長で天龍峡温泉観光協会の牧内健会長は「天龍峡をどりが始まって98年、風光明媚(めいび)な天龍峡の景色を愛(め)でて踊りの文化をつないでいってほしい」と呼びかける。