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喬木村でサバイバル教室 アウトドアの基本と防災を学ぶ

ビニールシートでシェルターを作り寝転ぶ参加者

ビニールシートでシェルターを作り寝転ぶ参加者

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 矢筈公園キャンプ場(喬木村)で防災週間の9月6日、「災害時に役立つサバイバル教室ッッ!!」が開かれた。主催は喬木村役場産業振興課。

ファイヤースターターで火おこしに苦戦する参加者

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 愛知県出身で喬木村の地域おこし協力隊の井上泰治さんが企画。2023年にキャンプ教室を開いたが、キャンプと防災を結び付けた企画としては初の試み。井上さんは登山やキャンプが趣味で、観光案内所で働く中、アウトドアの活動を広げてきた。井上さんは「東日本大震災で自助共助の大切さを考えさせられた。アウトドアの術を防災に生かせないかと思ったのがきっかけ」と話す。

 当日は同村内外から15人が参加。「シェルター作り」「ナイフワーク」「火おこし体験」の3つのグループに分かれ、時間を区切りローテーションして全てを体験した。火おこしは井上さんが、シェルター作りは駒ケ根高原アルプスの丘家族旅行村スタッフの唐澤秀明さんが、ナイフワークは同じく廣田悠祐さんが、それぞれ指導。

 火おこし体験では、子どもたちにマッチの使い方を教え、大人はファイヤースターターを使って火をおこした。火種として新聞紙や牛乳パック、コットンや麻ひも、ポテトチップスなども試し、まきに燃え移るまでの過程や火の特性などを教えた。飯田市から訪れた中島一成さんは「ファイヤースターターはコツがいるが、どんな状況でも使えるいいものを教えてもらった」と話す。

 シェルター作りでは、シート1枚でシェルターをどのように作るかを学び、本結び、もやい結び、トートラインヒッチなどのロープワークを体験。ボーイスカウトの隊長を務める唐澤さんは「体がぬれたり冷えたりすると命に直結する」と話し、「シェルター作りに正解はない。気象や地形などを見て臨機応変に対応することが大事」と訴えた。

 ナイフワークでは、さまざまなナイフを使って、木を縦に割ったり削ったりして、用途による違いを体感。道具集めが趣味という廣田さんは「防災と言えばマルチツールナイフだが、使わないものも多い。傾斜のなだらかな刃のフルタングナイフを1本持っておくのがいい」とアドバイスした。参加者の福島知恵さんは「楽しく夢中になれた。ロープワークやナイフなど普段できないことを体験できた」と話していた。

 井上さんは「初めての体験でできなかったこともあるが、子どもたちが火やナイフがどのようなものかを体験することが大事。できなかったことは課題として持ち帰り、防災に役立ててほしい」と話す。

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