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高森町で2つの太陽光発電事業 ゼロカーボン推進へ飯田の事業者が協力

壬生照玄高森町長(左)とリックス熊谷弘社長(右)

壬生照玄高森町長(左)とリックス熊谷弘社長(右)

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 高森町と飯田市で太陽光発電事業などを手がけるリックス(飯田市三日市場)が5月9日、太陽光発電再生可能エネルギー活用事業として高森北小学校に設置した太陽光発電設備で3月末に発電を始めたと発表した。

高森北小学校の太陽光発電パネル

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 この日、同社と高森町は同事業に関し協定を結び調印式を行った。同校の増築棟の屋根に設置したパネルは425ワット66枚。最大出力は22キロワットで年間の発電量は3万855キロワットアワー。同町では給食センターに次いで2カ所目。リックスが設置費用を負担し、固定価格買い取り制度を利用して全量売電を2040年3月末まで行う。売電期間中、通常は高森町に屋根賃貸料を支払うことになるが、今回は協定を踏まえ、同社が非常時対応用の蓄電池システムを寄贈した。平時は発電した電力を売電するが、非常時には自家消費に切り替え、余剰分は蓄電池に蓄電し、夜間も使えるシステムにした。同時に防災機能として非常用電源、発電の様子がわかる遠隔監視システムのモニターを提供した。子どもたちの環境教育にも利用するという。

 リックスは2013(平成25)年、「結プロジェクト」による発電事業を開始。これまでに飯田下伊那地区10市町村50施設で稼働している。熊谷弘社長は「結プロジェクトの売電型ハード事業第1弾はいったん終了。第2弾として自家消費型等のゼロカーボン事業を進めていく」と話す。その事業の一つが、東陽興業との共同企業体(JV)で整備した高森町のサッカー場のゼロカーボン事業。日中発電した電気を蓄電し、夜間の照明などに使う自家消費型のシステムを2月から運用している。熊谷さんは「ハード事業とは別に環境教育の提供や文化振興などソフト事業にも力をいれていきたい」と意気込む。

 壬生照玄高森町長は「サッカー場の太陽光発電事業がきっかけでリックスに協力してもらった。子どもたちが自然エネルギーや発電を学べる部分で学校に太陽光発電を置く意義は大きい。未来の教育資源に対する投資でもある」と話す。「今後、地域でエネルギー問題に取り組むきっかけとして広がっていけば」と先を見据える。

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