![常時8種類ほどのデザインが並び、ハートのチョコレートを飾った「バレンタイン」仕様のプチフール](https://images.keizai.biz/iida_keizai/headline/1738932034_photo.jpg)
JR飯田線飯田駅から徒歩3分の場所に位置する「紅谷洋菓子店」(飯田市通り町)が2月6日、バレンタイン仕様の「プチフール」の販売を始めた。
一口サイズのケーキ「プチフール」を、パウンドケーキの生地のバターケーキとバタークリームを4層に重ね、3センチ四方に仕上げる同店。15年ほど前に店頭販売を始め、10年ほど前から保育士の依頼を受け、市内の幼稚園や企業、下伊那地域の保育園などから、クリスマスや誕生日祝いなどの注文を受け出荷している。店主の村松嘉彦さんは「しっかりとした濃い味で、口溶けの良さが特徴」と紹介する。
1948(昭和23)年に嘉彦さんの父、嘉一(かいち)さんが創業し、同地域の先駆的な洋菓子店として知られる同店。嘉彦さんは「れんがで手作りした窯でケーキを焼いていた」と当時を振り返る。高校卒業と同時に、東京の洋菓子店「CADOT(カドット)」で修業。フランスで本場の菓子を習った店主の菓子店で伝統的なフランス菓子の技術を学び、都内のデパートや航空会社へ菓子を納品していたという。
1972(昭和47)年、店を継ぐために同市へ戻った嘉彦さんは、ケーキやクッキー、「リーフパイ」「コーヒーゼリー」「スイートポテト」などの菓子を作り、店を盛り上げた。プチフールは、東京の修業時代にも作っていた一品で、現在は常時8種類ほどのオリジナルデザインのプチフールを並べる。
バレンタイン仕様のプチフールは、嘉彦さんが「子どもが見て喜んでくれるように」とデザインを考案。「幼稚園のみんなもバレンタインを知っとるら(知っているでしょう)。あまり多くの色を使わず、『スカッとした感じ』を意識した」という。嘉彦さんは「父から『宣伝にお金をかけるより、材料にお金をかけろ』と言われてきた。ごまかした味で、その時だけ乗り切っても喜んでもらえない」と話し、フランス産の原料を中心に、チョコレートやクリームなど洋菓子の食材にこだわり仕入れている。
「幼稚園の頃にプチフールを食べたという高校生が、『ここに売ってたんだ』と言いながら買ってくれる姿を時折見かけて喜ばしい」と嘉彦さんは目を細める。バレンタインデザインのプチフールは、市内の幼稚園に届けるのに合わせ、2月14日ごろまで店頭に並べる。
営業時間は10時~18時。月曜定休。