セラミック加工・製造会社「エムケーセラ」(豊丘村神稲)会長の下山忠司さんが栽培したバナナが1月18日から、道の駅「南信州とよおかマルシェ」(豊丘村神稲)で展示されている。
下山さんは7年ほど前、仕事で訪れたベトナムで田んぼや土手に実るバナナを目にし、「観葉植物が好きなこともあり、バナナを育ててみたい」と思い立った。7年ほど前に同社内で栽培を始め、70歳を迎えた3年前、会社敷地内に約15坪のビニールハウスを建て、本格的に栽培を開始。現在、ハウス内では「三尺バナナ」を中心に17本を育てている。
「バナナの木と呼ばれるが、実際は『バナナの草』」と説明する下山さん。水分が多い植物で、夏は毎日、冬は乾燥を見て3日に1回程度の水やりを行い、気温を25度ほどに保つため、暖房やビニールカーテンで温度管理を徹底するなど、肥料の与え方も工夫を重ねているという。
セラミックで医療機器や半導体部品を製造する同社。「同じものづくりでも、バナナはあくまで趣味なので、作りながら試行錯誤を繰り返し、それが楽しい」と言い、これまでに収穫したバナナは、社員や友人、取引先に配り、「おいしい」と喜ばれたという。「その感想がとてもうれしい」と下山さん。
バナナは100~150本の実がまとまり、1房で20~30キロになることもある。初めの頃は収穫時期が分からず、実が落下して驚いた経験もあるという。現在は、つっかえ棒で実を支えるなどして工夫している。バナナは開花時期が一定ではなく、株から成長した枝に順次、実を付ける。「2月ごろに開花した場合は日差しが強い夏に成長するため、味が濃くなる」という。
「とよおかマルシェ」の直売所には、下山さんが栽培した約110本の青々としたバナナを展示しており、訪れた客の目を引いている。「食べ頃は1カ月後の柔らかくなった頃」と言い、「豊丘村産のバナナを楽しんでほしい」と下山さんは話す。
今後、同施設での提供を予定している。