鼎公民館(飯田市鼎中平)で1月18日、地域の暮らしと防災意識の向上をテーマにした「BOUSAI(ぼうさい)運動会」が開かれた。
当日は、小学生から大人まで約30人が参加。サバの缶詰を使ったけんちん汁などの「防災食作り」や、水が入ったポリタンクを持ち、障害物を越える「バケツ消火リレー」、2本の竹ざおにシャツを通して担架を作り子どもを乗せて競う「レスキュータイムアタック」、段ボールを筒状につなぎ合わせたものに入りリレー形式で速さを競う「キャタピラ」の競技を通じて、災害時に必要な動きや知識を楽しみながら学んだ。松川中央小学校4年の北原祥雲さんは「特に『キャタピラ』の競技が面白かった」と話し、競技後にも遊んでいた。
主催したのは飯田女子高校2年生の4人から成る「ちい活Labo(ちいかつラボ)」。同グループは飯田市公民館が高校生を対象に実施した連続講座で、地域の暮らしの中にある人、歴史、自然とのつながりなどを学んでいる。活動の一環として、「東北スタディツアー」で訪れた宮城県石巻市などで、災害時には住民同士で助け合うといった「地域のつながり」を学び、その大切さを「飯田の人にも知ってもらいたい」との思いから企画したという。同グループの佐藤楓さんは「災害時でも入手できそうな物を使って、より実践に近い体験をしてもらいたかった。その上で楽しんでもらえるよう工夫した」と話す。
親子で参加した早乙女実加さんは「災害時を考えると、地域の人と楽しく交流しておくことの大切さを感じた。高校生たちが地域の皆のことを考えてくれていて、頼もしさを覚えた」と話す。同グループの鎌原理央さんは「楽しんで参加してくれていたようで何より。年齢などを超えた『つながり』も感じられてうれしかった」と振り返る。