信濃比叡廣拯(こうじょう)院(阿智村智里)の参道入り口にある食事処(どころ)「信濃比叡 門前屋」の店先に真っ白な蛇が出現したという幸運の白蛇の逸話がある信濃比叡廣拯院が巳年の2025年元日、初詣に訪れた多くの人でにぎわった。
同寺は古代東山道の最大難所「神坂峠」の信濃側(長野県側)の麓の山里「園原」にある天台宗の寺院。817年、伝教大師最澄が神坂峠越えをして難儀を体験する。これにより旅人の便宜を図るため、美濃側(岐阜県側)に広済院、信濃側に広拯院の布施屋(ふせや)を建てたのが始まりとされる。
2005(平成17)年、善光寺の村上光田大僧正が信濃比叡広拯院として復興開山。根本中堂、鐘楼などを建立し、総本山比叡山延暦寺(えんりゃくじ)から「不滅の法灯」が分灯された。時を同じくして2006(平成18)年9月2日、参道入り口の門前屋の店先に突然、白い蛇が現れたため、信濃比叡・園原の里の守り神として迎えたという白蛇の逸話が残る。その後、二度にわたり白蛇が現れたといい、現在は2匹の白蛇が門前屋の店内に祭られている。
当日は、巳年にちなみ干支(えと)の限定御朱印や、新たに宇賀神(白蛇)の御朱印などを授与した。早朝から駆け付けた多くの参拝客が白蛇にあやかり金運上昇のキーホルダーやお札などを授与され、新しい年の願いを込め参拝した。
参拝に訪れた熊谷秀樹阿智村長は「巳年なので新しいことにチャレンジしたい。変革をもたらす年と言われているので、阿智村含め南信州全体が経済活性化する年になればいい」と思いを話す。初めて同寺に参拝に訪れたという飯田市在住の横田青和(あお)君は「元気に勉強も頑張りたい」と一年の抱負を話した。