第104回全国高校ラグビーフットボール大会の長野県予選決勝が11月3日、長野Uスタジアム(長野市)で行われ、飯田高校(飯田市上郷黒田)が57-14で松本国際高校(松本市村井)に勝利し2021年以来3年ぶり15度目の優勝を飾った。全国大会(花園出場)は11度目。
昨年の決勝戦は飯田OIDE長姫高校との飯田対決に敗れ、花園出場を逃した。その決勝の舞台を経験した多くの選手らは「悔しさを一日も忘れたことがない」という強い気持ちで臨んだ。今年は飯田OIDE長姫と準決勝で対戦し54-0の大勝で雪辱を果たして、当日の決勝戦に臨み花園の切符をつかみ取った。全国大会は12月27日に、花園ラグビー場で開幕する。
前日の大雨から一転、青空が広がるスタジアムには多くの保護者らが訪れ、決勝の行方を見守った。飯田高校ラグビー班保護者会長の仲田龍史さんは「昨日の見送りでは選手は平常心だった。飯田高校の普段通りの戦いをすれば結果はついてくるので頑張って応援したい」と期待を寄せ、戦況を見守った。
13時のキックオフから間もない前半3分、飯田の伊藤選手がトライを決め幸先の良いスタートを切る。前半10分にもウイングの牛山健太選手がトライを決めリードを広げるも、モール対策をしてきたという松本国際の留学生らの献身的な守備でモールを押せない。小林克監督は「前半はミスが多かった。焦っている感じもあった。動きが硬かった」と振り返る。前半は2つのトライを許し17-14で終了。
小林監督はハーフタイムで「自分たちのミスがあるだけ。楽しんで自分たちのラグビーができているか」と声かけた。後半に入ると飯田のモール攻撃が機能する。自陣のゴールラインギリギリまで攻め込まれてもモールで守備を固め得点を許さなかった。飯田の激しく長いモール攻撃は松本国際の外国人選手らの体力を徐々に削り、前進しながらそのまま押し切ってトライを重ねた。
松本国際の選手らはトライされる度に「まだ終わっていない。諦めるな」と奮起するも及ばなかった。結果は57-14で、飯田は後半1点も許さずに花園の切符を手にした。
小林監督は「ナンバーエイトの大原選手がよくラインブレークしていた。目立たないがプロップの奥田選手がモールで頑張った」と選手をたたえる。「モールにこだわり続けた後半は思い通りの展開だった」と振り返る。
スタンドオフの北原慎一郎キャプテンは「ほっとしている。前半ミスから危ない展開があったが後半はディフェンスから流れを作り自分たちのラグビーをやりきれた」と振り返る。松本国際の外国人選手の印象については、「すごく強かった。簡単には止めさせてもらえなかったので少し苦戦した」と話す。花園に向けては「長野県代表として恥ずかしい戦いはできない。いろいろな人に感動してもらえるような試合をしたい」と意気込みを見せた。
小林監督は「花園をという思いは強かったので一安心。ディフェンスはどんな相手に対しても変わらずやれるので、そこで勝負したい。ロースコアなら全国の強豪ともやれる」と前を見据える。