芸術作品を制作する作家らで構成する南信美術会による「第78回南信美術展」が7月3日、JR飯田駅前の「丘の上結いスクエア(飯田市東和町、TEL 0265-22-4149)」で始まった。
1946(昭和21)年から開催している同展は日本画、洋画、彫刻、工芸、ジュニアの5部門に分かれ、今年は139点を展示。長野県知事賞には木下剛亨さんの彫刻作品「Vital Energy」が、飯田市長賞には長沼正子さん(以上、飯田市在住)の工芸作品「高原の朝靄(あさもや)」が、それぞれ輝いた。
「石を素材に作品を制作する。柔らかさや動きなど石から生まれた新しい形を感じていただけたら」と笑顔の木下さん。長沼さんは「設計図を書いて陶芸作品を完成させる。立ち寄ってご覧いただけたら」と観覧を呼びかける。
同展は、5月にオープンした「丘の上結いスクエア」で開催される初めての美術展となった。全作品を一つのフロアに展示するのは同展としても初で、パーティションなどを使い展示の壁面を増やし対応した。同会の丸山陸雄会長は「高齢者にも観覧しやすい会場を目指し、各所に観賞用の椅子を配置したので、休みながらご覧いただきたい。複合施設である『結いスクエア』には、買い物や学習、図書館閲覧など、さまざまな目的で人が集まる。『美術展にも立ち寄ってみよう』と思ってもらえたらうれしい」と期待する。「若い人の作品の良さが光り、90代の作家の力作も際立つ。多くの方にご覧いただければ」とも。
開場時間は9時~17時。入場無料。7月10日まで。