下伊那農業高校(飯田市鼎名古熊)で10月3日・4日の2日間、学校で収穫した茶葉を使った「煎茶道講習会」が開かれた。
講習会には食品化学科3年生の37人が参加。煎茶道「方円(ほうえん)流」師範の田中カツ子さんと田中径子(みちこ)さんから煎茶をいれる際のマナーや作法の手ほどきを受けた。始めにカツ子さんが「お点前」の一連の流れを実践しながら説明。その後、5人1組、4グループに分かれ、お点前役の生徒と客役の生徒で講習に臨んだ。
同校では、同科が設立された1986(昭和61)年に、お茶の栽培を始めた。当初は近所の茶畑を利用したり、阿南町の茶畑で茶摘みを行ったりしてきた。その後、校内の農場に茶畑を造成し、現在は14アールの敷地で、飯田下伊那地域で広く栽培されている品種「やぶきた」を育てている。
2日目に講習を受けた新井百華さんは「一つ一つの所作がとても丁寧で、ゆっくりで、きれいだと感じた。初めてお点前を体験して、茶道具を右手で取って左手を添える所作を毎回意識した。茶道具を片付ける時も音が出ないように気をつけた。一番煎茶は苦みがあったが、二番煎茶はお菓子を挟んだ後だったので飲みやすかった」と振り返る。
径子さんは「生徒は飲み込みが早く驚いた。お茶をいれる際の所作で、一手間加えるだけでも丁寧さや美しさが出る。今回の講習で学んだことを家でも実践してほしい」と話す。