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飯田への移住者をつなげる交流会「純喫茶 移住特区」 移住生活を語り合う 

交流会への参加者

交流会への参加者

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 移住者同志の交流会「純喫茶 移住特区」が9月23日、「プラントベースキッチン つきのいえ」(飯田市千代)で開催された。

交流会を開いた「つきのいえ」

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 農家民泊「waratte house」(龍江)などを経営する杉山豊さんと、「つきのいえ」オーナーの阿部秀信さんの2人が中心となり、「移住者の移住者による移住者のためのイベント」として開催した。当日は、同市へ移住し半年から数年がたつという住民や南信州エリアでの移住希望者など30人ほどが訪れた。同店を会場としての交流会は今回が初めてで、阿部さんから「千代地区にも移住の輪が広がれば」と、杉山さんへの話が挙がったことがきっかけとなった。

 岐阜県出身の杉山さんは7年前に豊丘村地域おこし協力隊を務め、その後3年間は長野県の地域おこし協力隊として活動し、豊丘の行政から「移住者交流会を開いてほしい、と依頼があった」と当時を振り返る。「その頃の交流会は格式ばったイメージがあった。どうやったら『ゆるく』交流会を開けるか。出入り自由のカフェで開催しよう」と考えたという。

 その後、豊丘だけでなく下條村や天龍村など飯田下伊那地区全体をフィールドに、当時は月1回ほど交流会を開いてきた。コーヒーが好きで、自身でコーヒー豆の焙煎(ばいせん)もする杉山さんは「酒がない、純喫茶」と、移住者が集まって「特区」のようなものが作れたら、と仲間と話していたことから、交流会の名前を決めたという。

 今春に同市へ茨城から移住したという打川恒平さんは映像制作を仕事とし、共通の知り合いを通し修業も兼ねて同市で就職した後、現在はフリーランスとして独立。「とても住みやすく、人も温かい。紹介から紹介という具合に仕事もつながっている」と飯田での半年を振り返る。「ここでの暮らしに大きく困ることない。こういう場(交流会)に来てつながりを広げたい」と参加のきっかけを話す。

 愛知出身でウェブプランナーの正木美峰さんは「『森のようちえん(認定こども園 野あそび保育園みっけ)』をきっかけに、この地域を選んだ。さまざまな場所に住んできて、飯田は他と比べて移住者が多いと感じる。地元の方から『こういうこと困ってない?』など声をかけてくれる」と地元住民との関わりに触れ、「子どもがいると心配なのは病院だが、選べるだけ病院などもあり困っていることはない。ちょうど良い、心地よい街」と話す。

 同市伊賀良出身で2020年にUターンした中島綾平さんは「名古屋、大阪、東京、横浜で仕事をしてきた。契約期間満了後に地元へ戻ったら、南アルプスと中央アルプスに囲まれた素晴らしい景色に魅了された」とUターンのきっかけを話す。

 現在は龍江で古民家宿「燕(つばめ)と土と」を経営する中島さんは、同市移住定住推進室から「移住コンシェルジュ」を任命された。「天竜峡やフルーツ狩り、この土地でしか育たない野菜など、龍江の土地を生かしながら出迎えている。移住者に対して、地域の方の受け入れ態勢が手厚い。自分たちがモデルケースになれれば。コンシェルジュとして、人と人をつなげていくことができる」と取り組みを紹介する。

 阿部さんは「予約不要で出入り自由の形態で、どのくらいの方が集まってくれるか心配したが、地元の皆さんの声かけもあり輪が広がった。違う地域から人が入ってくれると、地域の人の意識が変わっていき、地域が活気づく」と期待を込める。

 杉山さんは「今回は移住希望者の参加もあり、『どのような地域に移住するといいか』『仕事をどうやっていったらいいか』など具体的な相談があった」と前進があったことを紹介する。「定期的に交流会を開いてほしいとの声も多くあるので、頑張ってやっていきたい」と意気込みを見せる。

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