川本喜八郎人形美術館(飯田市本町)で9月28日から、企画展「川本喜八郎の三国志 創造の軌跡」が開かれる。
同館では昨年、川本プロダクション(東京都渋谷区)から人形の衣装や制作に使われた布などが寄贈された。来年は川本喜八郎生誕100年を迎えることから、今年と来年は人物としての「川本喜八郎」や作品制作の「裏側に迫る」企画を展開する。
第1弾として今年4月に企画展「人形歴史スペクタル平家物語」を実施。実際に撮影で使われた衣装を展示。第2弾の今回は、川本喜八郎の代表作・人形劇「三国志」の衣装や小道具を中心に展示する。同作では400体以上の人形が作られてきた。カシラ制作は川本が担当し、手足や衣装、飾りや小道具制作はプロダクションのスタッフで分業し1体の人形が形作られ、さまざまな「英雄」が生まれてきた。
同館スタッフの清水恵さんは、「三国志は1800年以上前の中国の物語。実際に着ていた衣装や色、柄があったかなどに正確には分かっていない中で、日本の布を使い中国の物語を表現するのは難しいことだった。川本先生は、動かすことを目的とした人形としての機能性を残し、なおかつ一人の人物として際立つように、からくりを使い分けたり、よろいの形や衣装の素材を変えている。1体の人形ができる軌跡とこだわりをご覧いただければ」と話す。
開館時間は9時30分~18時30分(入館は18時まで)。入館料は、一般=400円、小中高生=200円。水曜休館。12月15日まで。