天台宗大嶋山瑠璃寺(高森町大島山)の境内と瑠璃の里会館で9月22日、薬師猫神様縁日が行われた。主催は保護猫ボランティア猫にゃんズの薬師猫神様縁日運営部。
養蚕が盛んだった飯田下伊那地域では、大事な蚕をネズミから守るために猫を大切にしていたため、「養蚕の神様」として猫を神格化する習慣があったという。「薬師猫神様」は普段姿を見ることができない本尊(国重要文化財の薬師瑠璃光如三尊仏)に代わり、薬師如来の化身として2007(平成19)年4月、創作招き猫のトップアーティストで現代作家の「もりわじん」さんが制作した「薬師猫神様像」を瑠璃の里会館に祭ったのが始まり。
薬師猫神様縁日は2023年2月22日に始まり、毎月1回、継続的に開いている。当日は猫のアクセサリーやグッズなどの販売、全国の保護猫活動の紹介、アニマルセラピー、肉球の形を模した念珠作りのほか、甘酒や焼き鳥、ラーメンなどの屋台が並び、雨の降る中、多くの客でにぎわった。同寺で薬師猫神様に参拝し御朱印代の初穂料を納めると、同寺で咲くヒガンバナやサクラなど季節に合わせた絵柄が毎月変わる「特別御朱印」が授与される。
特別ペット法要は今年6月に初めて開催し、今回で2回目。同運営部が広く法要希望者を募り、同寺に祈とうしてもらう。遠くは北名古屋市や松本市などから10人ほどの参拝者が飼い猫の健康祈願、供養、招き猫にあやかり商売繁盛、金運上昇などを祈願した。
同寺の瀧本慈宗住職は「薬師猫神様のアイデアは伊勢の『招き猫まつり』を見たのがきっかけ」と話し、同会館の場所は過去には寺子屋、学校、児童館などがあった場所のため「寺は境内を貸しているだけ。寺に人を招き、いろいろな人の活動の拠点にしてもらえれば」とも。現在、能面師の養成講座やヨガなども行われているという。
縁日運営部の小根山久子部長は「縁日は猫絡みで、保護猫活動を知ってもらったり、野良猫などで悩んでいる方の相談の場にしたりするのが目的。猫好き、御朱印集め、神社仏閣好き、どんな目的でもいいので縁日を楽しんでいってほしい」と呼びかける。
次回縁日は10月13日の9時~15時。薬師猫法要は猫の日の薬師猫神様縁日に合わせ来年2月22日に行う。