南信州農業振興協議会が8月15日、農業従事者などで構成する「南信州日本なし産地再生プロジェクト」(飯田市追手町)の一環で、「日本なし」を使った菓子などの販売を始めた。
「日本なし」の魅力をより広めようと、担い手確保・栽培技術の向上・品種の育成・販売戦略に取り組んでいる同プロジェクトは一昨年スタートした。取り組みの一つとして、南信州地域の和洋菓子店などと協力し、「日本なし」の収穫期に合わせた10月15日まで、各店が同地域の「日本なし」を活用した商品を販売する。
パティスリーポルカは「信州飯田の梨タルト」、餅菓子すし・三吉野は「もち屋の葛(くず)アイス」、御菓子司まんさくは「南信州の味覚まんじゅう」、居酒屋・番屋は「梨と大根とじゃこの和風サラダ」、七久里農園は「梨スムージー」と「ひとくち氷菓」、ノエル洋菓子店は「和梨のタルト」、佳芳みつ蜂は「日本梨のタタン風タルト」と「日本梨の焼ドーナツ」、小恋路は「和梨タルト」、HOTA PASTRYは「和梨のかき氷」と「梨ブラン」、サンデイサンドは「和梨と生ハムサンド」など、今年は13店舗が参加する。
新たな取り組みとして、飯田短期大学(松尾)の学生と下伊那農業高校(鼎)の生徒が「日本なし」を使ったレシピを考案し、菓子店とのコラボ商品を開発した。パティスリーマサオオシマと同大リンゴ・加工品プロジェクトのコラボ商品は「梨ジャムのマカロン」で、「日本なし」を使ったジャムをマカロンで挟んで仕上げた。
御菓子処・得月と同大同プロジェクトのコラボ商品は「梨どら焼き塩キャラバタあん」。店主の棚橋大祐さんは「学生が考えたレシピの中でも、普通では考えつかない発想の菓子を商品化すると決め試作を繰り返した。和洋折衷の新しい味に仕上がった」と自信を見せる。
信州飯田の菓房・田月と同校の食品化学班とのコラボ商品は、「日本なし」とヨーグルトムースの「青春かおる爽やか梨の青空」と、スフレ生地のオムレットに梨を入れた「梨餡焼(りあんやき)」の2種類。店主の代田茂さんは「高校生が考える『青春の味』を模索した。若い考えとかけ離れてしまわないように。『日本なし』のみずみずしさを大切に仕上げた」と紹介する。
同プロジェクトでは、各店の商品内容を写真と文章で紹介する「日本なし絶品加工品 食べられマップ」を作成し、「南信州日本なし、旬カレンダー」などを掲載した。各店などで配布する。