地元のプロジェクトがブランディングを目的に開発を進めてきたクラフトビール「上久堅(かみひさかた)ICHIBAN BEER」が8月15日、「ひさかた火まつり」の会場でお披露目される。
北沢代表を中心に集まる「上久堅ブランディングプロジェクト」メンバー
商品化に向けて昨年秋頃から、「上久堅地区を元気にして盛り上げよう」とプロジェクトが立ち上がった。飯田市の「上久堅地区まちづくり委員会」と、4月に上久堅を中心とし、代表の北沢昌子さんと有志7人が立ち上げた「上久堅ブランディングプロジェクト」とで協議を重ね、「上久堅の魅力の一つでもある天然水を使ったクラフトビール造り」と決めて計画を進めてきた。
同プロジェクトメンバーで20種類ほどのクラフトビールを飲み比べ、麦芽やホップを選定し、「フルーティーなホップの風味を感じるラガービール」を商品コンセプトとし、シードルなどを生産するカネシゲ農園(下條村)へ醸造を委託。瓶詰め商品1000本を生産・販売する。同地区内で在住者を対象に先行予約をし、786本の注文があったという。
同市を流れる天竜川の東側に位置する上久堅、下久堅(しもひさかた)、龍江(たつえ)、千代(ちよ)地区は「竜東(りゅうとう)」と呼ばれる。千代出身で同プロジェクトの顧問を務める北村崇綱(たかつな)さんは「プロジェクトに多世代で取り組んでいるので、みんなの意見を集約できるように『住民みんなが主役』を大事に、話し合いを重ねた」と振り返る。
5月にはラベルデザインの募集企画を行い、国内外の10~70代から51点の応募があったという。メンバーなどの投票によって、地区内にある北田遺跡や夜空をデザインした、下久堅出身の宮内克朗(かつろう)さんのデザインに決定した。
8月15日に開く「第29回ひさかたの火まつり」で、一般向けにお披露目し200本を販売する。10時から北田遺跡公園(上久堅原平)で「火おこしの儀式」などを行う昼の部があり、19時20分から農村広場で「みこし」や「花火の打ち上げ」を行う同まつり。クラフトビールお披露目、販売は18時から。
北村さんは「昔から地元愛が強く、人の温かみを感じられるのがこの土地の良いところ。上久堅を外の方に知ってもらえるように、竜東出身者が地元を思い出してもらえるように、商品でPRし関係人口を増やしていきたい」と意気込みを話す。
内容量は330ミリリットルで、価格は660円。クラフトビール第2弾を11月頃、完成予定。