飯田の信菱電機(飯田市久米)で6月27日、S4(スマートファクトリー4)工場の竣工式が開かれた。
三菱電機飯田工場への部品供給とダクト用換気扇の一貫生産工場で始まり、今年、50周年を迎えた同社。換気扇を主力に家電事業、FA、ビルシステム事業、自動車関連、コンビニ、OA、釣り具用品と新しい事業へも参入してきた。2009(平成21)年に2代目の川手清彦社長が就任すると、2018(平成30)年にスマートファクトリー構想をスタート。現在は1万1000坪の敷地に7つの工場棟があり、これまでスマートファクトリーは3工場が稼働しているが、元々あった第7工場は中でも一番古い工場だったため、今回新たに4棟目のスマートファクトリーとして完成した。
工場の建物は620平方メートル、総工費約6億円。主に換気扇のフードなどの部品の粉体塗装や部品の組み立てを行う。S4工場について、川手社長は「量産体制と個産体制を分け、S4工場は高付加価値の商品をIT化、自動化、省エネ化といった次世代の先端技術を生かしながら、人間の技術も生かし人を育てていく工場」と紹介する。「これまでのS1~S3工場との相乗効果も狙った。創意工夫を重ね、飯田の主力になれる工場」とも。
25日には、同社で立ち上げ、2023年度新ものづくり展示会の「SDGsアワード2023優秀賞」を受賞した「あったらいいなプロジェクト」に協力した山本小学校5年生児童を工場見学に招き、ものづくりの現場を間近で見る機会を提供した。川手社長は「将来を担う子どもたちに工場を見てもらうことでものづくりの楽しさを知ってもらい、いずれは飯田に帰ってきてほしい」と先を見据える。近々、三穂小学校も工場見学を予定する。