「第80回南信美術展」が6月9日、飯田駅前「丘の上結スクエア」(飯田市東和町)の「ムトスぷらざ」3階で始まった。
飯田下伊那の美術家が1946(昭和21)年に発足した南信美術会が主催する同展は、今回で80回を数える。日本画、洋画、彫刻、工芸、ジュニアの5部門から成り、今年は114点を展示する。
会場の入り口には彫刻作品を展示し、右手に日本画・洋画作品を、会場中央には高校生の「ジュニア」部門の作品を展示するほか、会場奥には陶芸や染織、織、切り絵、木彫、水引で表現した立体や平面作品の工芸部門の作品を並べる。
同会会長の松井利明さんは「ベテランの方が挑戦的で、自身の作品を変えている印象がある。斬新な作品が数多く並ぶ」と紹介する。毎年5月に開催していた同展を、高校生の作品制作時期に考慮し、今年から6月開催とした。「高校生のエネルギーを感じる力の入った大きな作品で、高校生の活躍をうれしく感じる」と松井さんは話す。
各部門の審査員が審査を行い、「最も良い」とされる作品に知事賞を贈る。今年は、日本画部門の筒井攝子(せつこ)さんの作品「みどりのふもと」が選ばれた。本年度で閉館となる創造館と、筒井さんがいつも眺めている風越山の風景を描いたという。松井さんは「創造館と風越山が画面に上手に構成されている。春の若葉が茂る始まりを感じる緑色など、色のバランスも美しい」など、審査員から挙げられた感想を紹介する。
喬木村から訪れた女性は「おいが3回連続出品している。青色を使っていたが今年は印象が違う」と作品を眺めながら話す。「ジュニアの作品の金魚の存在感が大きい。近くで見ると魚の表面が描かれていてすごいなと感じた」と感想を話す。
松井さんは「個性ある数多くの作品が出品された。作品から感動、癒やし、力を受け取っていただければ。ぜひ、ご覧いただきたい」と来場を呼び掛ける。
開場時間は9時~17時(最終日は15時まで)。観覧無料。今月16日まで。