自転車の国際ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン2024(以下TOJ)綿半信州飯田ステージ」が5月23日、飯田市内で開催された。
プレゼンターのTOJキッズと優勝したニコラス・ヴィノクロフ選手
今年はステージ協賛として綿半ホールディングスを迎え、ステージ名称を「綿半 信州飯田」へと変更した。同ステージのホームチームで昨年総合優勝した「JCLチーム右京」のほか、海外チームを含む全16チームが参加。厳しい周回コースは、標高561メートルの山岳ポイントまで10%を超える急坂を駆け上がらなければならず、山岳ポイントからは一転してカーブが連続する下りコースへ。焼き肉観戦の香りにも耐えながら、下りの最後には名物のヘアピンカーブ「TOJコーナー」が待ち受ける。選手たちは体力だけでなく、集中力の限界にも挑まなければならない過酷なステージ。日中の気温が22度を上回る中、赤・青・緑・黒・オレンジなど色鮮やかなユニホームの選手たちが胸元のジッパーを開け、汗を流しながら新緑の下久堅の山岳コースを駆け抜けた。沿道には全国から集まった自転車愛好家や市民など1万9000人(主催者発表)の観客が集まり、昨年以上の盛り上がりを見せた。
山岳ポイントの近くにある通称「焼き肉観戦ポイント」では、昨年の倍以上の人出があったという。昨年まで本部から実況放送を行っていた飯田エフエム放送が、焼き肉観戦ポイントに場所を移してTOJ応援放送として番組を届けた。番組では地元をはじめ、全国の自転車愛好家らが南信州牛などの焼き肉を食べた感想や自転車に関わるエピソードなどを披露した。現場に駆け付けたファンらは、ホームチームの「JCLチーム右京」や飯田市出身の山田拓海選手(シマノレーシング)などを力いっぱい応援した。
沿道には下久堅小学校の6年生たちが作った山田拓海選手の横断幕や有志らが作った淡いブルーのぼり旗などが掲げられた。今年からシマノレーシングに移籍した山田拓海選手は、ステージ11位で完走。個人総合順位は前日の9位から11位に後退したが、1分47秒差は維持した。
レースを制したのは、序盤から逃げ集団に参加し、そのまま逃げ切ったアスタナ・カザクスタン・ディヴェロップメントチームのニコラス・ヴィノクロフ選手。個人総合1位はJCLチーム右京のジョバンニ・カルボー二選手が維持した。