天龍村の総合体育施設に設置した太陽光発電設備と蓄電池システムが4月30日にお披露目され、点灯式などのセレモニーが行われた。
天龍村では、小中学校、村役場、特別養護施設、文化センターに太陽光発電設備を整備し、同施設で6カ所目。平常時は発電した電力を同施設の他、隣接する小中学校で使う電力を賄う。余剰電力が発生する時は蓄電池システムに充電し、夜間など発電していない時間帯に放電。再生可能エネルギーの電力を最大限有効利用するという。CO2の削減量は年間36.39トンになる。
災害時は同施設が村内でも大規模な避難所となることから、環境省の補助金を活用して太陽光発電設備を整備し、1月中旬から稼働。同設備は飯田市の共同企業体(JV)が整備した。太陽光設備は56.94キロワット156枚のパネルを設置。太陽光発電の火災リスクを考えパワーオプティマイザーを導入し安全性を確保した。蓄電池システムは、2022年に国土交通大臣賞を受賞した日東工業製のシステムを日本で初めて導入した。同システムは電気自動車のバッテリーを再利用した蓄電池で、104.4キロワットアワーまで充電できる。
JVに参加したリックス(飯田市三日市場)の熊谷弘社長は「このシステムにより、天候にもよるが年間を通してほぼ再生可能エネルギーだけで賄うことができるのでは」と期待する。事業全体について「カーボンニュートラルや防災といった観点のほか、学校に設置した部分でSDGsなど子どもたちの環境学習にいい影響を与える」とも。
永嶺誠一村長は「緊急時には安心して避難生活ができるシステムを構築できた。南海トラフ地震が発生しないことを祈りつつ、大規模災害時には避難施設として有効に活用できる」と期待を寄せる。