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天竜川和船下り、船外機を装備した和船2隻の進水式 ベンチシートの座席も

運行の安全を祈り進水式が行われた

運行の安全を祈り進水式が行われた

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 南信州リゾート(飯田市時又)の和船(わせん)2隻の進水式が4月6日、行われた。

和船の椅子を手掛けた「トンネルワークス」の中田裕明さん

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 船頭が櫂(かい)を使い、木製の「ろかい船」を観光用に「天龍川和船下り」として運航する同社は、船外機を設置した船2隻を新しく建造した。これまでの船は全長12.7メートルだったが、小回りが利くようにと新船は3メートルほど短く全長9.9メートルと9.8メートルで、定員は20人とし、少人数の観光客にも対応する。

 同社アクティビティーマネジャーの川村茂雅さんは「天竜川沿いには見てほしい景色がたくさんある。今までは川を下るだけだったが、『ここで船を止めることができたら』『川を上ることができたら』の発想を、船外機を付けたことで実現できる。下流から上流へ向かう景色も楽しんでいただける」と、船からの眺めの魅力を紹介する。

 従来の船には乗客が向かい合って座る長い座席を設置していたため、乗客は船の進行方向から90度内側を向いた態勢で乗船していた。「(新船では)進行方向を向いて座ることができるように」と、船の座席を、家具のデザインと製作を手がける「オーダー家具工房TUNNEL WORKS」(今宮町)の中田裕明さんへ依頼したという。

 昨年夏頃に打ち合わせを始め、試作を繰り返したという。「川の流れを受けても乗船状態を安全に保つことができる座面の高さや奥行きなどを調整し、川の水が船にかかった場合の水はけなども考えた」と中田さんは振り返る。その他、乗り降りの際の機能やデザイン性を追求し、ベンチ型のシートに仕上げたという。

 4月6日に天竜川で行われた、安全を祈願する進水式で川村さんは「棟りょうをはじめ船大工、皆さんの協力があって船を作り上げることができた。中田さんには『みやましい(立派な)椅子』を作ってもらい完成した。船頭の技量をますます向上させ、『和船川下り』から新たな感動を届けたい」と意気込みを見せた。新しい船の就航は夏頃を予定する。

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