地域活性・復興支援プロジェクト「かき小屋実行委員会」が運営する「出張カキ小屋 牡蠣(カキ)奉行」が3月15日、アピタ飯田店(飯田市鼎名古熊)の特設会場で始まった。
東日本大震災で被災したカキの一大産地、宮城県石巻産のカキを炭火焼きで提供する同イベント。石巻産のカキは震災前の3分の一程度までしか回復していないのが現状で、今年も雪やしけなどで安定的な供給ができていない。同実行委員会は石巻のカキをまとめて仕入れ、全国に「かき小屋」の形で提供し復興を支援している。「石巻産のカキのほかに瀬戸内産や北海道産のカキも用意し、味比べもできる」とも。価格もカキ一盛り(約1キロ)が660円と、通常の半額程度で提供する。
長野県は「海なし県」であることもあり、海産物の人気は高く、飯田での開催は今回が初めて。エリア担当で同実行委員の佐藤英吾さんは「県内の岡谷や松本で開いた際は、泣いて喜んでくれた客もいた。行列もできて盛況だった」と振り返る。
週末、会場には多くの家族連れや団体が訪れ、東北の味に舌鼓を打った。飯田市松尾の松村直樹さんは「めったに食べられないカキをいい雰囲気の場所で食べることができて良かった。とてもおいしかった」と話す。今まで食べたことのない焼きカキを10個以上食べた息子の志竜くんは「おいしかった」と満足げな表情を見せた。
佐藤さんは「3月4月と歓送迎会シーズンなので、飯田では味わえない、いつもと違うシーンで歓送迎会を楽しんでほしい」と呼びかける。
出張カキ小屋は4月14日まで。営業時間は11時~21時。