共に飯田市出身の色鉛筆画家ひがしだゆうさんとガラス工芸作家の高井亜都子さんの二人展「きらめきのカケラ」が1月23日まで、創造館(飯田市伝馬町)で開催された。
「生き物にのパワーを貸してもらい描いている」と、ひがしださん
期間中、2人が本格的に制作を始めた10年前からの作品60点ほどを展示した。同館で開催されている「若造展(わかぞうてん)」の初回となった2014(平成26)年に知り会い、「楽しいものを見てもらいたいという、作品での表現の波長が同じ。二人展を一緒に開くなら高井さんしか考えられない」と、ひがしださんが声をかけ二人展開催へとつながった。
ひがしださんは10年ほど前を振り返り、「社会に絵で何ができるかを模索し苦しくなった時期もある。『作品を見る方に楽しんでもらえれば』との思いで描き始め、感情とリンクしたのが、ここ2、3年。人と一緒に生きていくための葛藤が作品に反映されている」と作品へ込めた気持ちを紹介する。
高井さんは10年前の若造展への出展に触れながら、「それまでは、とんぼ玉制作に取り組み、若造展への出展は『大きな作品を作りたい』との気持ちから。作品制作に真剣に取り組みたいと考えていた時で、作品作りでの楽しさを感じた」と、10年間に制作した作品を紹介する。
ひがしださんからの作品展の誘いを受けた高井さんは「せっかくなら『二人展』をと、悩みはなかった。作品を見た方が声を掛け感想を話してくれるのが励みになる。ガラスの色の出方を客観的に見ることができたので、これから作りたい作品のイメージができてきた」と、今後の作品制作への意欲を見せる。
ひがしださんは、来年度で閉館となる同館との関わりについて、「10年前の若造展への参加がスタートとなって、本格的な作品制作をここまで続けてきた。館への恩返しの気持ちを込めての作品展の開催だった」と振り返る。