平成おちんの神として平成時代に話題となった中郷蛇岩(飯田市上村中郷)に、年末年始にかけて受験の成功を祈る親子連れが訪れている。
中郷蛇岩は、1868(慶応4・明治元)年7月2日の豪雨時に、つべた沢上流500メートル付近から流れ下ってきたもので、上村川までもう少しの現在の場所で止まったという。大きさは530立方メートル、重さ約1300トンの岩石チャート。1950(昭和25)年ごろまでは岩の底に大きな洞穴があり、大きな蛇が住んでいたという伝説から、中郷の「蛇岩(じゃいわ)」と呼ばれている。この大きな岩が上村川まで落ちなかったことと、姿かたちがたくましい男性器を象徴しているため、「落ちん、落ちない」とかけて「おちん岩」とも呼ばれ、2016(平成28)年に地域の新名所として「平成おちんの神」が話題となった。つべた沢では度々大雨に見舞われ、2010(平成22)年の豪雨でも被害が大きく、おちん岩のすぐ上流部で現在も砂防えん堤の工事が進行中。
国道152号沿いに立つ「試験・選挙・財運 何事にも絶対おちんの神」や「日本で三番目におもしろい神『平成おちんの神』」の看板も目を引く。近くの「つり堀澤庄」を営む唐沢さんは、おちん岩について、「バイク乗りや自転車乗りが落ちん、受験に落ちん、選挙におちんなどの他に子宝にも恵まれるなどのご利益がある」と話す。
コロナ禍で落ち着いたものの、令和になっても毎年、受験生親子らが参拝に訪れるという。年末年始に向けて神社の鳥居に正月飾りを飾り付けるなど、平成おちんの神を長年管理している熊谷栄三郎さんは「お参りをすると、受験におちんので参りに来て合格してほしい」とアピールする。
おちんの神のお守りは「つり堀澤庄」で購入できる。1個1,000円。