名前入りポエム専門店「おもいやり家」(飯田市鼎)のアトリエがオープンして、12月上旬で1周年を迎えた。
送り主からの依頼を受け、送る相手への感謝の気持ちをポエムで表現し、ギフト用の額装を制作する同店。送る相手の名前の文字をポエムへちりばめ、店主の古林武さんが一文字ずつ手描きする。縦31センチ、横40センチのサイズ(1万5,000円~)が主力商品で、その他にも4サイズを用意。結婚や金婚式、還暦などの節目の贈り物としての利用が多いという。
同市出身の古林さんは、東京で料理人を目指し修業をしていた頃に、飲食メニューを筆ペンで書いていたという。常連客の誕生日などの祝いに感謝の気持ちをポエムにして贈ったところ喜ばれ、「気持ちを表現して渡せること」がうれしいと感じたという。独立を目標に同市へ戻り、落ち着いて「ポエムでの表現」に向き合い、アトリエ兼ギャラリーを構えた。
古林さんは「依頼主の思いを聞き取ること、受け取った方が喜んでくださるような言葉を選ぶこと。受け取る方の取り巻く環境を推察しながら、作品制作の前に丁寧にヒアリングすることが大切」と話す。下描きはせず、古林さん独自の筆文字で表現する。「より長く飾ってもらえるように」と、試行錯誤を繰り返し、現在の画材へたどり着いた。
「『思いやり』の本質を心にとめている方が多い。5文字の言葉が、さらに多くの人の目に触れ、『思いやり』の意味を立ち止まって考えるきっかけになれば」と、店名に込めた思いを話す古林さん。
営業時間は10時~17時。木曜定休。