キッシュ・タルトテイクアウト専門店「SAKUSAKU(サクサク)」(飯田市上郷)がグランドオープンして、11月17日で半年を迎えた。
店長の加藤杏奈さんは、アレルギー対応の栄養士の資格を持つ母親の影響で料理に興味があり、専門学校へ通い調理師の資格を持つ。昨年、空き物件と出会い、出店を考えたという。加藤さんが飯田へ移り住み、初めてできた10年来の友人でもあり、調理師の資格を持つ原田由衣さんへ声をかけ、2人でオープンをかなえた。
加藤さんは「せっかく皆さんに食べていただけるなら、自分の好きな料理を並べたい」と考え、東京に暮らしていた頃にベーカリーで初めて食べたキッシュを思い出したという。「濃厚で、私が幼い頃にはなかった味」のキッシュの試作を独学で繰り返し、「このキッシュなら食べてほしい、食べてもらえる」という味を完成させた。
定番のキッシュや、季節のフルーツを使ったタルトなど通常6~8種類の商品をそろえる。キッシュは、ベーコンとモッツァレラチーズをたっぷり使う「キッシュロレーヌ」、ベーコンとホウレンソウとタマネギにコロコロチーズを加えた「ベーコンとほうれん草」、ハーブスパイスを利かせ、おつまみにもなる「濃厚クリームチーズとサーモン」などの他に、照り焼きチキンやサツマイモや栗、ミートソースを使うものなどを提供する。
タルトは、「いちじくとくるみの焼き込みタルト」「あんずの焼き込みタルト」「生チョコタルト」の他、クランベリーやアップルティー、シャインマスカット、クインルージュと季節の果物や、生クリームを使ったものなどをそろえる。生のレモンから搾った果汁をたっぷり使い、生クリームを使わずに仕上げた「レモンチーズケーキ」は加藤さんお薦めの品。「タルトでもキッシュでもないけれど、試作を重ねるうちに、皆さんにどうしても食べてほしいと思い商品化を決めた」と加藤さんは振り返る。
材料のバターやクリームチーズ、小麦粉は国産にこだわり、店名にもなっている「サクサク」の生地を表現する。主に、加藤さんが生地を、原田さんが具材や菓子、店のロゴデザインなどを担当する。キッシュとタルトは18センチホールを8等分し、1ピースから販売する。ホールでの販売は、予約で受け付ける。
開店からを振り返り、「慣れるまで大変なこともあったが、楽しいことの方が多く『うれしい』」と2人は声をそろえる。加藤さんは「これからもコツコツと店を続け、子育てが落ち着いたら土日営業やキッチンカーでの販売にも取り組みたい。サクサクの味を楽しんでいただけたら」と来店を呼びかける。
営業時間は10時~17時。現在は週2回ほど営業する。