地域住民の有志らが集まり2020年に事業をスタートした「三穂の駄菓子屋カー」が11月1日、3周年を迎える。
活動のきっかけは、図書館の三穂分館で、地区の子どもたちに読み聞かせや図書館企画を通じて関わっていた今村沙月さんが、もう少し子どもたちと気軽に関わり、楽しい場を提供したいと思ったのが始まり。小学生の頃に体験した野外学習を経験してもらおうと「ワンデイキャンプ」を実施。好評だったため1泊のキャンプ計画を立てたがコロナ禍で中止となった。
何かコロナ禍でもできることはないかと頭を悩ませていた今村さん。子どもの頃、夏休みのラジオ体操の帰りに、地域の商店で売っていた駄菓子を買うのが楽しみだったことを思い出した。駄菓子なら子どものお小遣いでも買えるし、大人も懐かしんでもらえると考え、当時の三穂公民館主事や地域おこし協力隊員、地域の人に相談し、駄菓子を活用した事業をスタートさせた。
販売場所は、地域の人から自由に使ってほしいとの声が上がっていた、御下屋敷(おしたやしき)と呼ばれる「小笠原長孝記念館」(飯田市伊豆木)に決定。館内のスペースで販売を考えたが、密になるため断念。地域おこし協力隊員が使わなくなったワゴンタイプの軽自動車を借り、車載販売に変更した。70種類ほどあり、価格は10円~110円。
三穂地区の子どもたちの交流の場として始めた事業だが、口コミなどで知名度が広がり、地区外のイベントでの出張販売をはじめ、地区行事や小学生の集まりに「お菓子の詰め合わせ」の要望を受けることも増えたという。
今村さんは「詰め合わせを受け取った子どもが、イベント出店の時に来てくれたのはうれしかった。進学などで地区を出ていったとしても、長期休みなどで顔を見せに来てもらえるように、活動を長く続けたい」と話す。
「駄菓子は湿気に弱いため、急きょ、開催予定が変更になることもある。詳しくは駄菓子屋カーのインスタグラムで確認してほしい」と呼びかける。