「信州フルーツ合衆国 さくらんぼ園」(喬木村伊久間原、TEL 090-5784-5210)で6月3日、「さくらんぼ狩り」が始まった。
広さ2000平方メートルの同園では、「佐藤錦」を主力として、「幸香錦(こうかにしき)」「高砂」「紅秀峰(べにしゅうほう)」「紅さやか」「ナポレオン」「レイニア(通称=アメリカンチェリー)」など60本のサクランボを育てている。昨年は霜による被害に見舞われ不作となり、「さくらんぼ狩り」は2年ぶりに行う。
開園初日は地元や中京圏から客が訪れにぎわいを見せた。高森町から訪れた女性は「サクランボが実っているのがきれいで、食べる前に見とれていた。サクランボの種類によって、甘さや酸味などの味や食感が違って、どれもおいしい」と笑顔で話す。愛知県在住の男性は「コロナ禍もあり、6年ぶりに来られてうれしい。ここのサクランボの実は大きくておいいしい」と話す。
同村ではイチゴやリンゴ栽培が盛んだが、6月ごろからは収穫のない時期がある。初夏にも観光客に立ち寄ってほしいと、同社で「さくらんぼ狩り」を始めたのが20年ほど前。同村で果物や野菜を栽培している6人が集まり、20年以上前に山形県へサクランボ栽培の研修へ出かけた。同社専務の林弘冨さん「リンゴを長く栽培しているが、どんなことも初めてのことをスタートさせるには、まずは学ばなければ」と研修当時を振り返る。
日当たりが良く、肥沃(ひよく)な土地がサクランボには合わず、栽培を始めて3、4年後に全ての木が枯れてしまったため、その後、水はけのいい場所へ「さくらんぼ園」を移した。「栄養が多すぎる土がサクランボに合わなかった。そこから工夫して木を育てた。失敗を生かし、おいしい実がなる『桜の花』を咲かせている」と林さん。
枝を落とすことで、全ての実に日差しが届くようにしているという。今年は豊作のため、摘果(てきか)作業も行い、実の一粒が大きくて濃い味になるように育てている。「実だけを持って、クルっと回すと上手に取れる。実が大きいのが当園の特徴。種類の味比べをしながら楽しんでほしい」と来園を呼びかける。
開園時間は9時~16時。30分食べ放題で、中学生以上=2,000円、小学生=1,000円、小学生未満無料。土産用の摘み取り1パックは1,000円。要予約。6月20日ごろまで。