飯田の地酒「喜久水」を学び楽しむ日本酒の会「SusTaiN35(サステインサーティーファイブ) Season2.1~ちょっとぜいたくな新酒まつり~」が6月3日、丘の上結いスクエア「ムトスぷらざ」(飯田市東和町)で4年ぶりに開催された。主催は喜久水酒造(切石)。
喜久水のKeykeg「?(そう)Keg Draft Sake純米吟醸無濾過生原酒」を提供する容器
当日は県内外から36人が参加。冒頭、「お酒の流通革命Keg Draft Sakeとは?」をテーマに、喜久水の歴史とともに清酒容器の変遷について講義した。日本酒サーバーの「KeyKeg(キーケグ)」は外側の容器にガスを注入して酒の入った内側の容器を圧縮することで、酒の中身が空気やガスに触れないという利点から、「蔵で搾ったままの状態と同じ品質のお酒が飲めるのが特徴」で、「酸化も防げるため、フレッシュな状態でお酒を提供できる」という。
当日キーケグで提供したのは「桒(そう)Keg Draft Sake純米吟醸無濾(ろ)過生原酒」。 酒米はたかね錦、精米歩合55%、アルコール度数16%で、「発酵過程で生じる炭酸ガスがわずかに残り、フレッシュな香りを楽しめる」という。参加者からは「おいしい。スイスイいける」などの声が聞かれた。桒の他3種類の日本酒と、シードルもキーケグで提供した。
料理は、「食と体験の宿まごころ」(上村)が担当し、煎(い)り酒で食べる熟成鯉の刺し身や、酒かす(喜久水)を使った夏野菜とクリームチーズの吟醸和え、地元産幻豚(げんとん)のポシェ、うなぎとたくあんのいなりずしを提供した。前日の大雨で孤立した上村に宿を構える小池清志さんは「この日のために事前に飯田市内に避難して準備していた。開催できて良かった」と胸をなで下す。
会は、喜久水が用意したサプライズ酒の提供や「たまいよーすけ」さんのライブ、じゃんけん大会などで盛り上がった。喜久水酒造営業部の後藤高一さんは「前日の雨の影響もあったが、開催できて良かった。新鮮な驚きもあった会で、参加者には楽しんでいただけたのでは」と振り返る。
一人で参加した伊藤美和さんは「酒蔵巡りが趣味で、初めて参加した。飲み比べができて、特別なお酒も飲めてうれしかった」と話し、仕事仲間5人で参加した田中耕平さんは「歴史を学んで飲んで、おいしい料理を頂けて、景品も当たり楽しかった。日本酒は敷居が高かったが今日のようなカジュアルな会なら、また参加したい」と、それぞれ話していた。