飯田市在住の日本画家、宮井九如啓江さんの個展「夜を走る展」が3月7日、飯田の和菓子店「信陽堂(飯田市羽場、TEL 0265-53-1230)で始まった。
「ワンピース姿の少女が、夜の物語の世界を走り抜ける」がテーマの同展。墨絵と、樹脂粘土などで制作した作品、合わせて30点ほどを並べる。宮井さんが色鉛筆で以前から描いていたテーマを、「墨で描く」という発想から夜のイメージが浮かび、黒髪に黒のリボンを付け黒色のワンピース姿の少女が誕生した。さまざまな夜の物語に少女が登場し、少女が出会う生き物や季節も移り変わる。今回のテーマでの個展は初の試み。
墨で仏画や植物を描き続けている宮井さんは「仏画を描き続けているが、『ワンピースの少女』は常に隣にあった世界。仏画などを描く時は心が静かになる。少女を描く時は、私も一緒に走っていてワクワクする」と笑顔で作品を紹介する。
物語の中で「ワンピースの少女」は、チョウと触れ合う、ウサギと遊ぶ、UFOに追いかけられるなど、さまざまな体験をする。宮井さんは「常に描いている日本画は深い世界と、ワンピースの少女はかわいい世界で、実はつながっている。ゆっくりご覧いただければ」と来店を呼びかける宮井さん。作品は店内で販売も行い、ギャラリーのテーブル席では和菓子も提供する。
営業時間は10時~17時。入場無料。3月19日まで。