津田塾大学、Japanブランド飯田水引プロジェクト(関島水引)と飯田市が共同開発した車いすスポーク用の水引アクセサリー「Me's(ミーズ)」の販売が3月3日、始まった。
飯田水引を使ったアクセサリー「ミーズ」は、水引7本を使った直径45ミリほどの大サイズ(4個セット、2,200円)と、水引4本を使った直径27ミリほどの小サイズ(同、1,760円)。デザインは、15年ほど前から水引の結びの流行とされる「梅結び」で、両サイズとも「紅梅」「燕子花(カキツバタ)」「福寿草(フクジュソウ)」の3色をそろえた。
飯田をフィールドスタディーの場所として、同市と大学や研究者と親交を深める「学輪IIDA(がくりんいいだ)」が2011(平成23)年にスタートし、同大も参加。2018(平成30)年には、同大と同市で地域活性化や人材育成についての包括連携協定を結んだ。2019年にはJapanブランド飯田水引プロジェクトが、同市の紹介によって同大のキャンパス祭で「水引ワークショップ」を行ったことが縁となり、産学官連携での商品開発が進み、初めての商品化が実現した。
同大の「学生プロジェク」トは総合政策学部と学芸学部の3、4年生14人で構成し、ミーズの開発には8人が関わった。同学部のキャンパスが、東京2020オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなった国立競技場に近く、水引の商品開発をスタートした2018(平成30)年、「ここが注目される場所になる」と考え、同大会に着眼した。その中で、「自転車スポークは飾るが車いすのスポークには飾りがなく、無機質」と感じ、水引アクセサリーのアイデアが浮かんだという。
同プロジェクト代表で同大3年の伊藤由美子さんは、水引に最初に触れた時に「水引の色は、赤や白だけかと思ったら彩が豊かで、質感もキラキラやツヤツヤと美しいと思った。水引アクセサリーがファッションを楽しむきっかけになれば」と話す。
同プロジェクトはコロナ過で中断したときもあったが、学生と水引の職人とでオンライン会議を重ね、商品開発を進めた。関島水引の関島直人さんは、「水引の型崩れや色落ちが無いよう、クリップを金属にしたり、裏側をコーティングするなど日常生活での雨風に耐えられることも考えた。水引でのこうしたアクセサリーは珍しい。学生の皆さんの発想がいい」と話す。「クリップで挟むだけで使える。車いすや自転車などにも、アクセサリーとして使って楽しんでもらえれば」と伊藤さんは笑顔で話す。
ミーズは、「おいでなんしょツクツク店」(同市座光寺)で販売する