「第1回 南信州芸能フェスティバル風流踊(ふりゅうおどり) ユネスコ無形文化遺産登録記念大会」が2月26日、阿南町の阿南文化会館(阿南町西條)で行われた。
昨年11月30日に、全国で41件の踊りが「風流踊」として同遺産に登録。このうち長野県からは、「跡部(あとべ)の踊念仏」(佐久市)、「和合の念仏踊り」「新野の盆踊り」(以上、阿南町)の3件が登録された。
当日は、阿部守一長野県知事からのビデオメッセージが流された後、伝統芸能をきっかけとした地域の活性化に精力的に取り組む国学院大学・小川直之教授が基調講演を行った。南信州民俗芸能継承推進協議会アドバイザー、櫻井弘人さんによる「南信州地域の風流踊」の解説もあった。
メインイベントは、3つの風流踊の特別上演。披露する踊りや使用する道具、歴史などの解説を挟みながら、跡部の踊念仏、和合の念仏踊り、新野の盆踊りの順で保存会員らが演舞。一つ一つの所作やかけ声、踊りを間近で見た観客からは大きな拍手が送られた。会場には300人が来場した。
来場した中島美代子さんは「飯田に住んでいても普段は見られない風流踊を見られて熱くなった。伝統を守り続けていってほしいので、これからも応援したい」とエールを送る。
同協議会の平松三武会長は「後継者不足は課題だが、多くの人に見てもらえて良かった。保存会含め、地域全体で風流踊の魅力を伝えていきたい」と振り返った。