川本喜八郎人形美術館(飯田市本町1)の常設展示が2月4日、三国志最大の山場「赤壁の戦い」に様変わりした。同館は2007(平成19)年の開館以来、定期的に常設展示の入れ替えを行っており、今回で29回目。
「赤壁の戦い」は中国後漢末期の208年に長江の赤壁において起きた曹操軍と孫権・劉備連合軍との戦いで、この戦いの結果、魏・呉・蜀の三国時代が始まったともいわれている。
川本喜八郎は日本を代表する人形美術家で、1982(昭和57)年から1984(昭和59)年にかけてNHKで放送された「人形劇 三国志」の人形美術を担当した。
飯田市は、江戸時代から続く「黒田人形」「今田人形」の2つの人形芝居が今も行われており、1979(昭和54)年からは日本最大の人形劇の祭典「いいだ人形劇フェスタ」」を開催するなど「人形劇のまち」としても知られている。
飯田を訪れた川本喜八郎は、人形に情熱を傾ける飯田の人々が発した「人形が生きている」という言葉に深い感銘を受け、「この飯田こそ人形たちに一番ふさわしい場所」と、「三国志」などの人形を飯田市へ寄贈した。飯田市は「人形劇のまち」の新たな拠点施設として同館を建設した。
川本喜八郎が制作した劉備や曹操、諸葛亮孔明などの人形は両軍に分かれて展示し、生き生きとした表情などを楽しむことができる。
入館料は、一般400円、小中高生200円。水曜休館(祝日は開館)。