「クラフトフェア飯田」が11月5日・6日の2日間、杵原学校(飯田市山本)で開かれた。
飯田市の登録有形文化財に指定されている杵原学校校舎の見学を自由にできるよう開放し、芝生で整備された裏庭などにクラフト作家が出店した。里山の動物の姿を陶芸で表現する大鹿村「土のうた工房wa」、パーツごと成型した陶器で実在する車を精密に制作する茅野市「鴨工房」、ドライフラワーで華やかなリースなどの作品を並べる愛知の「MOGZURA(モグズラ)」、木材をろくろ加工で個性豊かなフラワーベースなどに仕上げる埼玉の「BOSAOJI」、金属で甲殻類・昆虫を精巧に作り上げる東京の工房「たがや」など全国から150組の作家が参加した。
東京を制作の活動拠点とし飯田にも生活拠点を持つガラス工房「アトリエ 芳Glass+α」の目黒芳枝さんは、コロナ過で県境を越えることを控え、同イベントへの参加は3年ぶりになるという。「飯田の空気が気持ちよく、飯田で以前に会ったみなさんと久しぶりに会うことができて懐かしい」と笑顔で話す。
作家活動24年の目黒さんの初期の作品ともいえる「サンキャッチャー」は、ウニのような形から、イカやクラゲなど海の生物へと発展する。作品を見た人から「マハタは作らないの」と尋ねられたことをきっかけに、図鑑や画像で調べ現在では「深海魚シリーズ」として制作を続ける。今回も来場者から「どうやって作るの」「ガラスの中に、ガラスの作品をそうやって入れるの」と声をかけられた目黒さんは、「質問していただき、皆さんとの会話が楽しい」と作品を手に制作過程を説明する。
クラフトフェア飯田をつくる会の代表者は「全国から参加する作家と来場者が、作品を通して交流できる場所を提供できたらうれしい。来年以降も集う皆さんのお手伝いができるよう取り組む」と意欲を見せる。