「倫理的な、道徳上の、環境・社会に配慮する」などを意味する「エシカル」なくらしを提案する「エシカルシンポジウム」が11月6日、「南信州環境メッセ2022」内のイベントとしてエスバード(飯田市座光寺)で開催された。主催は飯田市などから成るエシカルシンポジウム実行委員会。
エシカルは、環境や人、社会など自らを取り巻く全てに配慮し、良識に従って考え行動しようとする概念で、環境問題やSDGsにも直結する。講演会で元長野県副知事の中島理恵さんは農山村ならではのエシカルな暮らしの事例などを紹介し、「私たちの毎日の選択が持続可能な社会づくり活動への応援につながる。飯田にもエシカルなショップやエシカルの暮らしの実践がたくさんあるので、できるところから始めてみましょう」と訴えた。
続くパネルディスカッションでは、飯田市のごみの分別や下伊那農業高校の料理コンテストの趣旨の話から、フードロスをなくすために心がけていることなどが話題として取り上げられた。第3部では下伊那農業高校生が「あなたのエシカル度チェック」を実施。10の質問から「環境にどのような影響があるか」を探り、行動することで達成されるSDGsの項目などを解説しながら理解を深めた。
パネルディスカッションのコーディネーターを務めた一般社団法人「South-Heart」代表理事の森本ひとみさんは「4年目でエシカルという言葉がだいぶ浸透してきた。この地域は何もしなくても自然とエシカルな行動をしている地域。それだけ豊かな暮らしをしているということを誇りにしてほしい」と呼びかけた。
当日は、自然環境保全ポスターの入賞作品表彰式やソーラーカーの工作教室、飯田女子高校によるSDGsのカードゲーム体験講座なども行われ、多くの市民でにぎわいをみせた。