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高森町と神稲建設が災害時の協定締結 ハウジングセンターを一時避難所に

(左から)神稲建設の福澤栄夫社長、、壬生照玄高森町長、下市田区長の光沢金良さん

(左から)神稲建設の福澤栄夫社長、、壬生照玄高森町長、下市田区長の光沢金良さん

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 高森町と神稲建設(飯田市主税町)が12月11日、災害時における一時避難場所としての使用に関する協定を締結した。締結式には、壬生照玄高森町長、神稲建設の福澤栄夫社長、立会人として下市田区長の光沢金良さんの3人が出席した。

国葬153号沿いに新設した「くましろハウジングセンター」1階

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 協定の対象施設は、「くましろハウジングセンター」(同町下市田)。耐震性の向上を目的に約800メートル西へ移転し、神稲建設事業センター敷地内の「くましろホール」跡地に新築した。鉄筋4階建て、延べ床面積1023.1平方メートル。「人と環境にやさしい」をテーマに同社が自社で設計・施工を手がけた。

 11月4日に営業を始め、現在は住宅部門と不動産部門の約30人の従業員が勤務している。施設内の主に1階ゲストスペースと2階多目的フリースペースを、町内で地震や風水害などの災害が発生、またはその恐れががある場合、町民の一時避難所として無償で開放する。

 施設はオール電化で太陽光発電を設置し、地中熱を利用した冷暖房システムを採用。地中の温度は年間を通じて約15℃で安定しており、災害時の際に空調が一時的に使用できなくなっても、室内は適温を保てる。非常時の給水に役立つ受水槽や、停電時に対応できるEV充電システムも備えた。

 福澤社長は「この施設は地中の安定した温度を活用しており、冷暖房のエネルギー使用量を抑え、CO2排出の削減にもつながる。今後は住宅や建築開発にも応用し、脱炭素社会の実現に貢献していきたい」と意気込みを見せた。

 締結式では協定文書の第1条から第14条までを読み上げた後、3者が調印した。施設の使用料は無料で、使用によって生じた費用や損害は町が負担する。協定期間は2026年3月31日までで、期間満了の1カ月前までに申し出がなければ、1年ごとに自動延長される。

 壬生町長は「大きな災害がないことが一番」としながらも、「雨による水害はある程度予測が可能だが、予期せぬ地震への備えとして、一時避難の場所があることは非常に心強い。町民への周知も進めていきたい」と述べた。

 光沢区長は「災害対応は地域にとっての重点課題。実際に使わないで済むのが一番だが、こうした備えがあることはありがたく、心強い」と話した。

 下市田地区は、約1700世帯、4500人が暮らす町内最大の居住エリア。旧「くましろホール」も2015(平成27)年から町と同様の協定を結んでいたが、その間に避難が実施されたことはなかった。

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