
「くまがいクリニック」(飯田市北方、TEL 0265-49-0717)が9月1日で5年目を迎えた。
同院は、一般外科、高齢者の変形・疼痛疾患、在宅医療を主軸としながら、風邪や捻挫、骨折など幅広い症状に対応する「地域の総合診療所」として診療を行っている。院長の熊谷嘉隆さんによると、患者が「どの病院へ行ったらいいか分からない」と悩んだ際の「最初の窓口」となることを目指しており、必要に応じて専門医療機関の案内も行うという。
熊谷さんは飯田市出身。農家の長男として育ち、親族の「医者が一人くらいいてもいいんじゃないか」という言葉をきっかけに医学の道を志した。新潟大学在学中にはボランティアサークルに所属し、地域の人々との関わりの中で、「必要とされていること」を実感したという。健和会病院(鼎上山)では院長を、社会医療法人健和会では理事長を務めた後、2021年に退職。「退職してからの人生で、できることをやっていこう」との思いから同クリニックを開業した。
「もともとは外科医だったが、地域診療を通じて知識の幅が広がっている。今も新たに学ばせてもらっていることが多い」と熊谷さん。地元の自然や人柄への愛着もあり、「自分が保育園児の頃の保母を、今は患者として診ている」と話すなど、地域とのつながりを大切にする。
診療所は、木の質感を生かしたナチュラルなデザインで、窓を多く取り入れた明るい空間が特徴。熊谷さん自らDIYで棚や杖置きなどを設置し、患者がリラックスして過ごせる環境づくりに努めている。
スタッフは看護師3人、事務員3人。月1~2回、栄養士による栄養指導も行っている。
熊谷さんは、協力医療機関として連携する「北方の丘」(北方)をはじめとする社会福祉法人一陽会の施設でも医療を担っており、福祉と医療の橋渡し役としても活動している。
事務長の福澤陽介さんは「開院から4年がたち、多くの患者さんを迎えている。予約を優先しているため、事前に電話で確認していただけたら」と話す。
熊谷さんは「自分を育ててくれた地域の方々に、何かの形で恩返しができたら」と話す。
診察時間は、8時30分~11時30分、15時~16時30分。火曜・木曜は午後往診、土曜は午後休診。