
同志社大学政策学部の多田ゼミ20期生の合宿が8月18日~20日、飯田市内で行われた。
飯田市が全国の大学との連携を深める「学輪IIDA」ネットワークメンバーの一人で、同大の多田実教授が毎年この地域で行う合宿で、25人の学生が参加した。飯田の地域活性化におけるソーシャルマーケティングを学ぶためフィールドワークを行うのが主な目的。
18日は、学輪IIDAでプレゼンテーションを行ったり、飯田市内でフィールドワークを行ったりした。19日は、ムトスぷらざ(飯田市東和町)で飯田の伝統工芸「水引」と音楽を組み合わせたイベント「結音祭」を開催し、人形劇や音楽のライブ、水引グッズの販売などを行った。20日はグループに分かれ、自由行動で市内のフィールドワークを行った後、多方面で学生らと連携する「リテラス(旧飯田測候所)」(馬場町)で、地元・飯田のインフルエンサー「ヤマノコ」を講師に迎え、インスタグラムマーケティング講習会を開いた。
ヤマノコの菅沼和夢大(なゆた)さんは大学生時代にユーチューブチャンネル「エポックのじもと」で地元の情報発信を始める。昨年、幼なじみの青山侑樹さんとインスタグラム「ヤマノコ/南信州魅力再発見プロジェクト」で南信州の魅力を発信してきた。2025年度は長野県広報パートナーに就任するなど活躍の場を広げる。当日は、学生らがフィールドワークで撮影してきた写真を活用し、どのように人に魅力を伝えていくか、人の心を動かすかを、自身の台本制作の意図や映像の使い方などを交え講義を行った。
同大生の加納理子さんは「将来地方創生に関する仕事に就きたい。地元で活躍している人の話を直接聞く機会はなかなかないので勉強になった」、蛭田蓮さんは「天龍峡と飯田の焼き肉を食べた。経営している夫婦の人柄が大変良かった」などと、それぞれ講義やフィールドワークの感想を明かす。
ヤマノコの菅沼さんは「人の思いを他の人に届くような形で伝えること。どのような言葉で表現したらいいかを伝えようと思った。地域外の学生らがすてきな写真を撮って楽しかったと言っているのを聞いて、自分も励みになった」と話す。青山さんは「この1年間でさらに飯田を好きになった。自分たちの地元は魅力的でいい人がいる。若い人と一緒になってまちづくりができれば」と先を見据える。
多田教授は「将来の進路に役立つ話を聞けたのでは。地域のスペシャリストは観光やマーケティングにおいて強みになる。ゼミで学んでいるソーシャルマーケティングを通して地域に貢献するという観点からも貴重な話だった」と振り返る。