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飯田にジビエ焼き肉店「食べてみ」 泰阜出身の東谷さん、30年来の夢実現

飯田にジビエ焼き肉店「食べてみ」、令和7年7月7日オープン

飯田にジビエ焼き肉店「食べてみ」、令和7年7月7日オープン

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 ジビエを提供する焼き肉店「食べてみ」(飯田市小伝馬町、TEL 0265-54-2372)がオープンして、8月7日で1カ月を迎える。

「お馬鹿セット」

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 店主は泰阜村出身の東谷智恵さん。2012(平成24)年からスナック「有希」(銀座)を経営しているが、「焼き肉店を開くことが30年来の夢だった」と話す。「ジビエがおいしいことを知ってほしい」との思いから、飯田の言葉「食べてみてね」の意味を持つ「食べてみ」とした。七夕の日の開店に「令和7年7月7日の7並びで縁起が良いとお客さまから声をかけられた」とも話す。

 以前は割烹(かっぽう)だった空き店舗をそのまま活用し、和の雰囲気を生かした店づくりを行った。「焼肉の街」として知られる以前から、飯田には人が集まると焼き肉を囲む文化があったと振り返る。

 実家で育てていたトウモロコシがハクビシンに食べられた経験などから、「有害駆除をするだけで、動物を捨ててしまうのは忍びない」との思いで狩猟免許(わな猟免許)を取得。現在はジビエ講座にも通い、地域性について学びながら営業している。

 ジビエは「泰阜村ジビエ加工組合 もみじや」(泰阜村田本)などから仕入れるほか、熊本赤牛をはじめとする県外産の肉も用意する。主なメニューは、「泰阜産のシカモモ肉」(1,000円)、「阿南産のサフォーク」(2,200円)、泰阜産や山梨産の「ハクビシン」(2,000円)、「喬木産くりん豚」(825円)など(いずれも約100グラム)。「お試し!お馬鹿(ばか)セット」(1,000円)、「肉盛り合わせセット」「お薦め飯田お肉セット」などのセットメニューやコースメニューもそろえる。

 料理は両店の店長を務める松田俊幸さんが担当。すし店での勤務経験があり、「包丁さばきは応用する」と話す。シカ、ハクビシン、クマ、イノシシ、馬などをさばき、肉の扱いや部位ごとの特性を見極めながら、これまでに研究を重ねてきたという。

 中でも馬肉は馬刺しとして食べられるほど鮮度の高いものを仕入れる。そのほかのジビエも、脂身があっさりしていながら、肉本来のうまみがしっかり感じられるのが特徴だという。

 焼き器具には、煙や匂いが少なく焦げが出にくい無煙ロースターを導入。「料亭の作りなので、建物や焼き肉を召し上がった方にも香りがつかないように配慮した」と導入理由を話す。

 店内は4人がけテーブル2卓、カウンター6席のほか、1人用焼き肉機器も設置。2階には6人程度のいろり席や、20人ほどまで使える座敷も備える。ドリンクは県内外の日本酒やワイン、ビール、ソフトドリンクをそろえ、麺類やサラダ、デザートも提供する。

 東谷さんは「ずっと目指していたことなので、とても楽しい。『ハクビシンを初めて食べた』という声も多く、『トウモロコシのような味』『意外とおいしい』などの感想も頂いた。焼き肉を通じて、ジビエの魅力を知ってもらいたい」と話す。

 営業時間は18時~24時。今月中にランチ営業も始める予定。

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