
よこね田んぼ(飯田市千代)で2月15日、里山の風物詩の「土手焼き」が行われた。
当日は、よこね田んぼ保全委員会や棚田のオーナーなど約60人が参加。同会が管理する約1.4ヘクタールの田んぼを西側の上段から下段へ移動しながらバーナーで土手の枯れ草に火をつけていった。土手焼きは害虫駆除と土手の状態を確認するのが目的。枯れ草を放置すると草が腐敗し、その影響で土が柔らかくなるため土手が崩れてしまう恐れもあるという。
同会委員長の小澤克平さんは「土手焼きを行うことで、土手の状況も分かってくる。異常が見つかれば修繕の対応も早くできる。この機会に点検することも大事」と話す。
よこね田んぼの土手焼きはこれまで一般公開していなかったが、大規模な土手焼きが珍しいためか、その光景を収めようと地区内外からアマチュアカメラマンが足を運び、撮影する姿が見られたという。そこで今年は、一般にも自由に見学してもらおうと、初めてチラシを作り、里山の風物詩の「土手焼き」と銘打ち開催を呼びかけた。
千代小3年の関口明輝(はるき)さんは「土手焼きのことは知らなかった。見ていて爽快だった」、同小4年の市瀬和真さんは「よこね田んぼで、伝統ある作業を見ることができて良かった」と、それぞれ話していた。
豊川市から参加した山田広司さんは、ドライブで棚田を訪れたことがきっかけで棚田のオーナーに申し込んだという。オーナーとして今年2年目を迎えた山田さんは「土手焼きは初めてだったので感動した」と振り返る。
小澤さんは「1人ではできない作業。できることをしっかりやって、この景観を守っていきたい」と意気込む。