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喬木村にコワーキングスペース&シェアオフィス 古民家改装、ICT生かす

喬木村職員の研修で講演する東原義訓さん

喬木村職員の研修で講演する東原義訓さん

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 コワーキングスペースとシェアオフィスを備える「iSpaceたかぎ」(喬木村)が2月1日にオープンした。管理運営は「加美(かみ)」。

養蚕の道具をリノベーションしたパーティション

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 中央アルプスを望む天竜川東岸の河岸段丘上に位置し、米や柿、シャインマスカットなどの田畑が広がる場所に位置する同施設。同社代表でiSpaceの館長を務める信州大学名誉教授の東原義訓(ひがしばらよしのり)さんが築95年の実家を改装して開いた。東側の庭には、刈り込まれた植木や、滝から落ちる水しぶきの美しい庭園も広がる。昔、養蚕を行っていた建物で、養蚕で使っていた道具などをパーティションに使ったり、屋根裏を見せる演出を施したり、随所に古い建材を生かしたりして、「木ぬくもりを感じる空間を意識した」という。

 古民家の梁(はり)を生かした空間のコワーキングスペース(定員16人)には大型モニターを完備。講演会やコンサートなどにも利用できる。他に、3~6人程度が打ち合わせできるブース=2カ所、個室のオンライン会議室=2室、会議室(定員12人)=1室、シェアオフィススペース=2カ所を備える。ロッカーやプリンター、フリードリンクのスペースなども設ける。東原さんは教育のICT(情報通信技術)化を進めるため全国で講演活動を行うなどDXに詳しいため、同館への入退館や清算などにその技術を駆使。スマートフォンのアプリで予約・認証して鍵の開け閉めを行ったり、さまざまな電子決済に対応したりするという。

 オープン後は、喬木村役場の職員がDXの推進に関する勉強会を開くなどで活用し、東原さんも講演を行った。東原さんは「今後、働く場所を指定しない会社や人が増えていく。県外から飯田に出張に来た人が仕事の拠点(サテライトオフィス)として使ってほしい」と話す。「地元の人でもさまざまなニーズがある。まずは見学をしてもらい要望を聞いて柔軟な使い方を考えていきたい」とも。

 「i」の文字を人に見立てたシンボルマークは「人と人が出会って『i』(=アイデア)が生まれ、新しいインスピレーションや共創をもたらす意味を込めた」と東原さん。「起業を目指す若い人にも使ってもらい、偶然のいい出会いがあれば」と期待を込める。

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