大阪国際交流センターで7月13日、「南信州民俗芸能フェスティバル in 大阪・関西万博」が開催されれる。
地域文化の担い手育成と民俗芸能の継承促進を目的に企画されたもので、会場では「四季を題材とした南信州の民俗芸能」をテーマに、春・夏・秋・冬、それぞれにちなんだ演目を映像と舞台で紹介する。
霜月神楽の保存と継承に取り組む「木沢霜月祭り保存会」と若手組織「木沢霜月祭り野郎会」。準備を進める会長の木下隆彦さんに話を聞いた。
-今回の出演が決まった経緯は?
「今年に入ってすぐ、保存会に出場の話が届いた。『やろう』とすぐに決心し、保存会と一緒に準備を進めてきた。南信州の文化を世界に見てもらえる機会だと捉えている」
-霜月祭りとはどのようなものか。
「命の再生を願う神事で、12月に南信濃の8地区で行われる。木沢では約12時間かけて神々を迎え、舞を奉納し、湯を沸かして清めるなどの儀式を行う。今回は1時間の中で構成し、『どうすれば、楽しく見てもらえるか』を考えた組み立て」
-どのような準備をしてきたか。
「5回の練習を重ねてきた。12時間の祭りを1時間に収めるのは簡単ではなく、どの場面を選ぶか、どうすれば観客に伝わるかをメンバ-みんなで話し合ってきた。構成を考えるのが一番大変だった」
-保存活動における若手の役割について。
「『木沢霜月祭り野郎会』は2014(平成26)年に立ち上げた。若い世代が減っていくなかで、継続のために自分たちで学び、考える場を作ろうとした。現在は保存会と一体になって活動している。今回の出演も、その取り組みの延長にある」
-大阪・関西万博への意気込みは。
「主要国のパビリオンの近くで、多くの来場者が訪れると聞いている。小さな集落の祭りに目を向けてもらい、本場の霜月祭りを見に来てもらうきっかけになればうれしい。南信州の大切な文化を、しっかりと世界に向けて発信してきたい」
春の部では、飯田下伊那の屋台獅子の源流とされる高森町の「大島山の獅子舞」を上演。
夏の部には、阿南町和合地区の「和合の念仏踊り」が登場。夜通し行われるのが特徴で、「風流踊」としてユネスコ無形文化遺産に登録されている。
秋の部では、阿智村の「清内路の手作り花火」を映像で紹介。山あいの集落に手作り花火の音と光が響く。
冬の部では、飯田市南信濃木沢の「遠山の霜月祭り」が舞台で披露され、命の再生を願う神事が紹介される。
開催時間は13時~17時。