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飯田、東野地区で防災要素を取り入れた運動会 コミュニティー力向上目的に

メドレーリレーで土のうを抱えて走る参加者

メドレーリレーで土のうを抱えて走る参加者

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 第35回東野地区民大運動会が9月29日、飯田東中学校(飯田市高羽町)のグラウンド行われた。

飯田東中学校の生徒が考えた「アップル○×クイズ」の様子

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 昨年は雨で中止となり2年ぶりとなった同地区の運動会は今年、近年の自然災害の増加を考え、通常のプログラムに防災要素を取り入れた内容に変更して開催し、東野区民約300人が参加した。

 防災要素を取り入れた競技は3つ。多世代が出場する「メドレーリレー」では「たる転がし」を「水消火器的当て」に、「タイヤ引き」を「土のう運び」に変更。「帯に短しタスキに長し」は、各チーム25人の選手が順番にさまざまな長さの荒縄を引き、縄を結び、最終的に縄の長さが一番長かったチームが勝つ競技。今回は荒縄の結びを防災シーンで多く使われ、誰もが簡単にできるという「本結び」に限定した。「じゃんけん玉入れ」は、選手がボールを引き、白のボールならジャンケンを行い、勝てば近い距離から目標のかごに投げ入れられる競技、赤色のラッキーボール(得点3倍)を引いた人に「東野防災クイズ」を出題するように変更した。防災クイズは放送で参加者全員に共有。各競技の景品は飯田市で備蓄していた防災食を配布し、アルファ米やビスケットなどの防災食が多くの参加者の手に渡った。

 今年は、多世代の住民が参加する中、飯田東中学校の生徒たちが考えた競技、「アップル〇×クイズ」も行い、全員参加で盛り上がった。進行役の木下結月さんは「りんご並木について多くの人に知ってもらえて良かった」と振り返る。

 企画を提案した防災士の堀竜也さんは「近年、自然災害は増加するが、当地域では大きな災害が少なく、過去の大災害からも記憶が遠ざかっているため、防災意識の向上が課題。今後、南海トラフなど大きな災害が起こる確率は高い」と警鐘を鳴らす。「コミュニティー力の強い地域は復興が早いと言われるように、公民館活動など元々高いコミュニティー力を生かせるのではないかと思い今回の提案をした。防災意識の向上につながればうれしい」と話す。

 参加した小学校5年生の伊藤司人(かずと)さんは「メドレーリレーに出たが楽しかった。景品で防災食のビスケットをもらえてうれしかった」。東野公民館の佐々木俊昭館長は「防災クイズで改めて学んだことがあった」と、それぞれ振り返る。

 実行委員長の大場孝さんは「今年は初めての試みで大がかりなことはできなかったが、部分的に防災要素を取り入れていこいこうという考え方で行った。来年以降は徐々に本格的にもう一歩踏みこんだ内容にしていきたい」と先を見据える。

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