子どもたちが商店街を歩きながらオリジナルの妖怪を生み出すワークショップ「まちあるき妖怪クラブ」が5月9日、「暮らしをひらく実験室KAICO(カイコ)」(松川町元大島)で行われた。主催は伊那谷サラウンド。
同クラブは、まちを歩いて発見した「不思議」や「面白い」を元に、自分だけの妖怪を作り出す創作企画。絵や工作、アニメ制作などを通して半年かけて活動し、最後には参加者で「妖怪屋敷」を作り上げる。
当日は、小学生の参加者12人が集まり、伊那谷の妖怪文化に詳しい今井啓(あきら)さんによる「妖怪談話」で始まった。「妖怪って何?」の問いかけから、妖怪の見分け方、平安時代から現代までの妖怪の変遷や歴史、「小豆洗い」「かわらんべ」など伊那谷の代表的な妖怪について学んだ。今井さんは「妖怪には、どこか懐かしさを感じることも大切な要素」と話す。「妖怪は想像力で見つけるもの」とし、隠れている、化けている、取り憑いている、足跡や落とし物をするなどの考察を詩にした自作の歌「UNKO(うんこ)に気をつけろ」も紹介した。
その後、「たてものとまちの翻訳家」の宮内智也さんと共に、あらい商店街周辺を散策。路地をのぞき込んだり、石像や植物、石、空き瓶、傘などを見立てたりしながら、まちの中に潜む「妖怪の種」を探した。触った感触や色、匂いなど、参加者それぞれが気になった風景や物をメモに残した。途中、和地電器の和地雅二さんが商店街の歴史も解説した。
KAICOに戻ってからは、見つけた妖怪をイラストにする制作時間を設け、イラストレーターの大宮のぞみさんがサポート。参加者は、大宮さんが用意した妖怪をイメージした色の絵の具など好きな画材を使って自由に表現した。「バジル丸」「コケコケ」「カサジャグチ」など個性的な名前の妖怪が次々と誕生した。
参加者には「妖怪研究員の証」としてスタンプカードを配布。同クラブでは今後、妖怪の立体制作やコマ撮りアニメ制作、表現ワークショップなども予定しており、10月31日には参加者全員で「妖怪屋敷」を開く予定。
伊那市内から参加した三上葉子(はこ)さんは、古くなったバジルソースを道端にまき散らし、人を転がす「バジル丸」を考案。母親の麻里さんは「無心になって絵を描くことが楽しかった。町の歴史も知ることができて良かった」と振り返る。
企画した北林南さんは「子どもたちの想像力はすごいと感じた。ここだけではなく、商店街全体を子どもたちが考えた妖怪で盛り上げていければ」と意気込む。