学ぶ・知る

飯田・創業100周年の文具店「キング堂」 初代社長の自伝公開へ

創業100周年を迎えた、キング堂4代目社長の神藤光裕さん

創業100周年を迎えた、キング堂4代目社長の神藤光裕さん

 飯田の文具店「キング堂」(飯田市銀座)が5月3日、創業100周年記念企画として、創業者・神藤金太郎の自伝「私の歩いた道20人集」の一部をホームページ上で、期間限定で公開を始めた。

創業当時のキング堂

[広告]

 戦争や火災など幾多の困難を乗り越えながら地域に根差した営業を続け、2月1日に創業100周年を迎えた同店。公開した自伝は「現代信濃人物誌刊行会」が企画し、1975(昭和50)年に出版したもので、20人集の一人として、1926(大正15)年に飯田市広小路で文具店「キング堂」を創業した神藤金太郎さんに執筆を依頼したものだという。農家出身の金太郎の幼少期から、「キング堂」誕生に至るまでの経緯などが詳しくつづられている。

 同店は1947(昭和22)年の飯田大火で店舗を焼失するも復興し、その後、店舗の拡張や売り場の移転を行った。1996(平成8)年にも火災で被災したが、1998(平成10)年に現在の店舗として再建し、現在に至る。4代目社長の神藤光裕さんは「祖父の生い立ちや家族のルーツが鮮明に分かるだけでなく、飯田地域の郷土史に関わる資料としても興味深い」と話す。

 100周年を迎え、神藤さんは「ネット通販や大型店の進出により、文具専門店を取り巻く環境は大きく変化している」と話す。需要の減少に伴い、全国的にも専門店が減少する中、同店は文具・画材・書道用品・事務機器などを幅広く扱い、「手で書く・表現する」分野を総合的に支える店として営業を続ける。

 同店は木製筆記具ブランド「野原工芸」などの商品や、メーカーとの長年の信頼関係を生かした仕入れにより、遠方から訪れる客もいるなど独自の強みを持つ。万年筆や掛け軸など、かつて主力だった商品は需要の減少やライフスタイルの変化により厳しい状況にあるが、「手で書く文化はなくならない」とし、アナログの価値に可能性を見いだす。

 今後は、従来の文具店としての役割を大切にしながら、変化する時代に合わせた方向性を模索していくという。神藤さんは「地元の利用者に支えられてきた歴史を踏まえ、期待に応え続けたい。初代の自伝も、ぜひ見てほしい」と呼びかける。

 営業時間は10時~18時。公開は7月末までを予定。

ピックアップ

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース