下條歌舞伎の定期公演が11月23日、下條村コスモホール(下條村睦沢)で開かれる。
下條村では、1720年に初めて歌舞伎が上演された歴史が残っており、戦後まで盛んに行われていた。戦争の影響などを受け1955(昭和30)年ごろに下火となり衰退しかけたが、村の文化を継承しようと若者らで青年歌舞伎を設立。1971(昭和46)年には保存会が発足。1989(平成元)年には村の「無形民俗文化財」に指定された。
今年の第1幕では、同村と土佐絵金(とさ・えきん)歌舞伎(高知県)のみに伝わる演目「蝶(ちょう)花形名歌島台(めいかのしまだい) 小坂部館(おさかべやかた)の場」を上演。第2幕では11歳から86歳までの保存会員が出演し、「絵本太功記 十段目 尼ケ崎の段」を披露する。第2幕の総年齢は564歳に上る。
幕あいでは、飯田下伊那のダンスグループ「Byaccon(びゃっこん)」が、太夫の語りに合わせてダンスを披露する特別企画や、小中高生から成る「下條カブキッズ」によるパフォーマンスを披露。歌舞伎ソムリエ、おくだ健太郎さんによる実況解説用イヤホンも1台1,000円でレンタルする。
同歌舞伎事務局の齋藤充さんは「老若男女が出演する歌舞伎を間近で体感してほしい。中には30数年ぶりにステージに立つ役者もいる。少しでも歌舞伎の魅力に触れ、楽しんでもらえるとうれしい」と話す。
上演時間は13時~16時。入場無料。