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飯田で「南信州環境メッセ」 親子で環境学ぶ、信大のグリーン水素など展示

信州大学の光触媒によるグリーン水素生成実験を見る参加者

信州大学の光触媒によるグリーン水素生成実験を見る参加者

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 南信州地域のさまざまな企業・団体・学生の環境に対する取り組みなどを展示・発表するイベント「南信州環境メッセ2025」が11月1日・2日、エスバード(飯田市座光寺)を会場に行われた。10月31日には「環境産業見本市」も開催した。

南信州環境メッセ2025屋内ブースの様子

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 31日に行われた「環境産業見本市」では、32社の企業が出展し約100人が訪れ、熱心に商談を進める姿が見られた。1日・2日の「環境メッセ」は屋内外60の団体が参加。信州大学のグリーン水素の製造技術をはじめ、水素事業に関する展示や太陽光発電、生ごみ処理機、ペレットストーブ、空間除菌システム、雨水タンク、ゼロエミッションタクシー、エコドライブ、ごみ出し啓発など生活に密着した特色のある展示を行った。グリーン水素の担当者は「非常に興味を持っていただけた。『期待しています』との応援も頂き、身の引き締まる思い」と話す。会場は多くの家族連れでにぎわい、2日間で約1600人が訪れた。

 1日は「ゼロカーボンミーティングin南信州」と題して基調講演やパネルディスカッションなどを行い、基調講演では「南信州におけるエネルギーの地産地消に向けたグリーン水素の可能性」と題し、信州大学学術研究・産学官連携推進機構リサーチアドミニストレーション室の宮原大地准教授が講演。地球温暖化の根拠を数値に示して説明し、CO2を排出しないグリーン水素の有用性を説いた。宮原さんは「製造過程やコストに課題はあるが、内陸部山間地は燃料の高騰などエネルギー供給のハイリスクを避けるため、エネルギーの地産地消を進めることが重要」と先を見据える。

 2日は、保育士らが演じる「エコレンジャーショー」を行い、子どもたちに向けて「水の出しっぱなし」「電気のつけっぱなし」などを勧める「破壊王」に立ち向かうエコレンジャーに多くの子どもたちが声援を送った。おがちゃんのサイエンスシーでは液体窒素などによる化学実験などを通じてカーボンニュートラルへの理解を深めた。ゼロカーボン啓発人形劇「こわーい未来美術展」では、学芸員の「御団子(おんだんこ)」さんが温暖化による悲劇や、熱帯低気圧、南極の氷などを表現した絵画や彫刻などの作品を子どもたちに語りや歌を交え紹介した。

 飯田市内から子どもと訪れた男性は「演者の歌や人形が斬新だった。環境啓発の視点でも面白かった」、松川町から家族3人で訪れた女性は「カーボンニュートラルの言葉の意味をサイエンスショーから身近なものとして理解でき、自分事と思い、いろいろ考えた。買い物の時に見るマークに注目したい」と、それぞれ話していた。

 実行委員会の中島武津雄委員長は「子ども向けの屋内イベントが盛況だった。将来の子どもたちが環境に関心を持ち続けてもらうイベントになれば続ける意味がある」と前を見据える。

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