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飯田でニット作家と布造形作家による二人展 ニットと布のコラボ作品も

ニット作家、川上恒夫さんの作品

ニット作家、川上恒夫さんの作品

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 ニット作家の川上恒夫さんと布造形作家の高倉美保さんによる二人展「nunonoito.tsuneFES」が10月18日・19日、飯田の「ギャラリー南無(なむ)」(飯田市立石)で開かれる。

二人展「nunonoito.tsuneFES」が「ギャラリー南無)で開かれる

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 川上さんは飯田市出身・在住で、飯田女子短期大学(現在の飯田短期大学)(飯田市松尾代田)の学長補佐を務めた経験を持つ一方、地元や京都などでニット作品の展覧会を開いてきた。400年以上にわたって受け継がれてきた伝統的な「フェアアイルセーター」に出合い、40歳を過ぎた頃、スコットランド北部に位置するシェットランド諸島・フェア島を訪れた。現地に1カ月ほど滞在し、模様の構造や色使い、イギリス式の編み方などを学んだという。

 フェアアイルセーターは、赤・白・黄色・ブラウン・青の5色の糸を使い、左右対称の幾何学模様を繰り返して編み込むのが特徴。英国王室では紋章を施したり、日本国内でも紹介されたりするなど、編み物の技法の一つとされる。

 当時、フェア島には約60人が暮らし、漁業が主ななりわいで、船に乗ることの多かった彼らが、もし海で命を落とした場合でも、着ていたセーターの模様から身元が分かるよう、家紋のように各家庭で異なる模様が受け継がれていたという。中世ヨーロッパでは、バイキングと呼ばれた海の民が航海の合間に編み物をしていたとされ、農作業や漁業と並んで衣服の製作が重要な生活技術だった。

 川上さんは「忙しさや社会的な戦いの中で、心を整えるための手仕事だったと思う。そうした営みが、編み物として今に続いている」と話す。自らも日々の仕事の中で、糸と向き合い、目の前の模様を一目一目重ねていく過程に心を落ち着けているという。「伝統の枠を超えて、カラフルで自由自在に糸を組み合わせた作品作りを心がけている」とも話す。同展では、ウールやカシミアで仕上げた新作1点と過去制作の10~15点を展示する。

 高倉さんは岡谷市出身・在住で、布造形作家として「nuno*ito asobi(ぬのいとあそび)」の名義でも活動。2006(平成18)年に制作を始め、県内各地のクラフトイベントにも出店してきた。展示ではぬいぐるみやイラスト、陶器などを販売する。

 2人は共通の知人を通じて縁が生まれ、今回が初めての二人展となる。川上さんのニット作品と高倉さんのぬいぐるみによるコラボ展示も予定している。

 開催時間は、18日=10時~17時、19日=10時~16時。入場無料。

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